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「おひさま」第9週 [物語]

さて、「おひさま」第9週は、週末が忙しくて、なかなかまとめ切れなかった。
第9週は、見合いから婚約成立までの展開が、奇妙奇天烈で理解できなかった事も一因?
一番こだわった点が陽子(井上真央)の泣き上戸による記憶喪失である。記憶のない陽子が
どうして、こういう風に客観的に物語れるのか?不思議だったが、以下の様に了解した。
現代の陽子が約70年前を回顧しているのだから、多少の齟齬は仕方がないだろう。また
前後して知り得たことを、物語の中でいちいち説明するわけにもいかないではないか?
まあ、重箱の隅を突付くような細かな話は、止めようと思う。

気を取直して再度、一週間のビデオを通しで見て、何かが見えてきた。昭和8年(1933)に
実母を亡くした陽子は家族の母代りとして、昭和18年(1943)まで頑張ってきた。そんな時
和成(高良健吾)との見合い話が持ち込まれた。和成の母・丸山徳子(樋口可南子)とは
昭和13年(1938)からの知り合いだった。陽子は何となく、母性を感じていたに違いない。
その徳子が持ち込んできた見合い話に、陽子が乗り気になったのは当然ではなかったか?
その様な陽子の夢を、和成は、また彼なりの誠実さで、縁談を自ら断って壊してしまう。

しかし、既に次兄・茂樹(永山絢斗)は、航空兵として出陣して音信不通。
長兄・春樹(田中圭)も半年後には軍医として戦場に赴くという。そして父・良一(寺脇康文)も、
名古屋の戦闘機工場から新戦闘機開発への参加要請を受けて、参加を決意したという。
陽子は、安曇野の家に一人ぼっちになってしまう。暗雲垂れ込める当時の日本において
女一人で生きていくには、大変な不安があるだろう。「東日本大震災」で結婚願望の女性が
増えたという。この平和な時代ですらそうなのである。
第二次世界大戦における日本の犠牲は死者・約350万人?正に歴史上未曾有の出来事だった。
死者数だけで比較すれば「東日本大震災」の約100倍以上に相当。実感できない規模である。
昭和18年時点で、そんな大災害が予感されたわけではなかろうが、陽子が大きな不安を感じ
信頼のおける人間関係を求めたのは、当然であったろう。生きるための予知能力である。
丸山道夫(串田和美)・徳子夫婦には、和成の他に6歳で夭折した陽子と同い年の妹がいた。
徳子は、女学生時代の陽子を娘のように見守ってきて、息子の嫁にと願ったのである。

酒の力を借りて本音を吐くのはハシタない。しかし陽子は自分の意志で飲んだのではない。
いわば、天が陽子に酒の力を与えて、勇気ある告白をさせてくれたと解すべきではないか?
陽子と和成の最終的な決断は、本人達と、その家族(和成の父母、陽子の父兄)すべてに
最良の決断だといえるのではないか? 今後の展開が悲しくも証明する?如何なものか
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