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「おひさま」第4週 [物語]

今週の御題は「母の秘密」。陽子(井上真央)の祖母・子爵令夫人(渡辺美佐子)から、若かりし
母・紘子(原田知世)の事が明らかにされた。その一連の話の中には、* 母が先生になりたかった
が果たせなかった事、* 父・良一(寺脇康文)と恋に落ち家を出て行った事、* 茂樹(永山絢斗)
を祖父母の養子にとられ様とした時に、幼かった春樹兄(田中圭)が、決死の覚悟でそれを阻止
した事、などが語られた。それに、茂樹がいよいよ将来の進路を父親に打ち明ける話、そして、
真知子(マイコ)と春樹の恋が進展する話なども加わった。これらの話は、それぞれの関係者に
とって、運命の岐路ともいうべき「人生の節目」の物語であった。母の秘密に関する話題は、
これから生きていく上での指針となるべきものだったが、茂樹や真知子・春樹の問題は、
陽子が現場に立ち会っており、どう行動すべきか?の決断を迫られた。

従って私の考えた今週の影のテーマは、「運命と人生の節目」。我々視聴者は、今週の物語を、
影のテーマの視点から、どのように解釈すべきなのか?私なりに考えてみた。

第24回(土)、陽子が飴屋で育子(満島ひかり)に、春樹と真知子の互いの思いを何とか
してやりたいと話すシーンがあった。真知子が、春樹からの「ハイネ詩集」を陽子経由で受取り
一刻も早く読みたいからと先に帰った後のことである。
真知子は勿論の事、春樹も初恋ではないか?その二人の純粋な思いを何とかしてやりたいと気
を揉む陽子に、育子は「どんなに良かれと思っても、勝手に人の運命を変えるようなことをしては
いけない」といった。その言葉の背景には育子の将来の進路について、父親との衝突があった。
育子もまた運命の岐路に立つ人だった。それはさておき、私は、この育子の考え方を基礎にして
運命と人生の節目にかかわる人間の生き方について考えてみたいと思う。

一般論として育子の意見は正論だと思う。例えば陽子の祖母も、紘子が家出することを分って
いながら止めなかったのは、育子の考え方と同意見だったからだろう。しかし、そうであるなら
茂樹の養子縁組に待ったをかけた春樹の行為は間違っていたのか?という疑問が残る。また
育子の父親が、子どもを心配して東京に出るのを反対するのは間違いだといえるのか?という
問題もある。さらに、紘子が先生になりたかったのを反対した祖父は正しかったのか?
間違っていたのか?結果論ではなく、現在進行形の問題として、我、如何に対処すべきか?

「良かれと思っても、勝手に人の運命を変える事をしてはいけない」という言葉は非常に重要な
意味を持っていると思う。「良かれと思っても」本当に良いかどうか等、簡単には分らないのが
人生というものである。現代の政治家は、自分の勝手な憶測で、カネを配ることが良いことだと
思っているが、そういう行為が人間の精神に悪い影響、しかも決定的な悪影響を及ぼすという
想像力がない。見えないものを信じない典型的な例である。


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