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初音とあかり [物語]

今日の「朝イチ」に初音役の富司純子がゲストに招かれ、「てっぱん」の話をしていた。
富司さんは、初音役を「命がけでやります」と、いったそうだ。余程、台本に惚れ込んだ?
「てっぱん」は、初音とあかりの二枚看板という事で、最初から設定されていたらしい。
思い出のシーンを見て、初音のあかりへの「大きなお節介」は、あかりを自由にするために
田中荘を閉鎖してしまうという今回の騒動だけではなかった事を思い出した。
最初は、あかりが、千春のトランペットを初音に返しに大阪に行った時、錠(遠藤憲一)・
真知子(安田成美)に親孝行をする様に言い聞かせた事。また錠・真知子によって、あかりが
大阪から尾道につれて帰らされる時に、初音が娘の出て行く時には追わなかった道を追い掛け
「・・・・あんたの人生はあんたのもんやろ!」と、逃げずに大阪にとどまる様に説得した。
その時、初音が言ったセリフ「あんたはうちのせいで背負いたくもないもんを背負わされた。
知ってしもうた事は知らん事にはできん!あんたもうちもや。」は、大変重要なキーワード。

人生は、多かれ少なかれ、背負いたくもない現実を背負わされる。それでも、人は知っても
知らん振りをしたがるのである。初音は、当初「自分が要らんことを言ったばかりに尾道の
皆に迷惑を掛けた。今後、一切、尾道とは関わりを持たない。」と言っていた。
初音自身も、娘が家出したことによる背負いたくない現実に背を向けていたのである。
そして、それからの長い話は、「知ってしもうた背負いたくもない現実」から逃げ出さず、
真っ向から挑戦する物語だった。それは、山あり、谷あり、時には逃げ出すような場面も
数々あった様に思う。しかし落ち込んだ人間を一人ぼっちに孤立させないあかりのお節介が
その急場を凌いだのである。田中荘閉鎖という初音のあかりへの思いやりは、人をつなぐ
お節介だけでなく、人を切離す要素も含んでいる。ある意味、初音とあかりが背負っている
「背負いたくもない現実」から逃げ出そうとしているともとれるのである。

あかり(瀧本美織)のことをネットでは悪くいう人も多い。物事には必ず、両面がある。
お節介も、良い面だけではないだろう。しかし「背負いたくもない現実」と向き合うには
一人だけでは背負えないのだ。適切な人との連携による知恵や援助が必要なのである。
19歳のあかりの誕生プレゼントに、初音が始めてお好み焼きを焼いた夜、あかりは
「・・・・うちはあのお好み焼きのお店でお好み焼きを焼く。おばあちゃんがそうした様に・・・
そしたら・・・・おばあちゃんと一緒に笑える日が来るかも知れん!」と言い、初音が
「ありがとう!・・・あんた・・・・よう生れてきてくれたなぁ~!」と応えて、二人泣き笑い。
「背負いたくもない現実」は、一生背負い続ける覚悟が必要では?明日最終回を迎えるが、
おばあちゃんとあかりが一緒に笑える日は、まだ遠い先になるのだろうか?如何なものか
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