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「てっぱん」17週・鍛える [物語]

今週のNHKTV小説「てっぱん」の題は、「鉄よ叩いて強くなれ」。
鉄平(森田直幸)が、モラトリアムの時期を卒業する物語であった。モラトリアムとは、
大人になるのに必要な猶予期間。人生航路の進路確定が1つのターニングポイントだろう。

鉄平は、兄・欽也(遠藤要)の課長とのトラブル、或いはあかり(瀧本美織)の大阪での生活
についての心配を理由に、父親の跡を継ぐという進路決定に迷いが生じた。
兄に譲られて、能も無いのにノウノウと居座るような意気地なしとは思われたくなかった?
また、このまま単調な社会人生活に入って良いのだろうか?もっと広い世界を見てみたい!
という気持もあっただろう。だからプリン騒動をキッカケに、あかりを追って大阪に出た。
モラトリアムの再開である。

学生時代も含めてモラトリアムの時期は大切である。人生に対処する覚悟の時である。
自分を見つめる。夏目漱石が100年前の和歌山講演でいった、「内発的開化」である。
(内発的開化については、ブログ・まどかのつどい日誌・2007.12.08開戦記念日参照)
余談だが、民主党は1993-1995年の細川・羽田・村山内閣から、十数年のモラトリアム期間を
経て政権交代した。だがモラトリアム期間の蓄積がみえない? 叩かれても強くならない?
何かというと自民党のせい。党派を越えた提案などといって自ら責任を負う覚悟すらない。
思いつきの政策も、人からの借り物ばかり。血の滲む様な思いで考え抜いた跡形すらない。

モラトリアム期間中、鉄平は自分なりに努力していた。出前で知合った年寄りのために修理や
買物を手伝っていた。また、ベッチャー・初音(富司純子)をはじめ下宿先の伝さん(竜雷太)、
田中荘の中岡徹(松尾諭)・民男(前田航基)親子、駅伝君(長田成哉)、笹井拓朗(神戸浩)等
とも人間関係を築いてきた。そうして見聞を広めながら、自らの思いを見つめ直した。

モラトリアム卒業のキッカケは、父・錠(遠藤憲一)の突然のぎっくり腰の発症。
しかし、即、卒業の運びにはならない。尾道に戻っても、自分の活躍する場所がない。
両親も甘い顔はしてくれない。鉄工所の従業員にも冷たくあしらわれる。そんな中で、
父・錠の親友・久太(柳沢慎吾)から、今度、職場復帰するためには「跡継ぎ」としての覚悟、
従業員やその家族にも責任を負わねばならぬ覚悟について言って聞かされる。
覚悟を決めた鉄平が必死で思いついた皆の為の一手。それが「即席車椅子」。鉄平が父・錠を
乗せて作業場に入った時、従業員・石田(金谷克海)が「社長、いいもんできましたねぇ!」と
言った。この一言が、モラトリアム卒業へのターニングポイントになった。
苦しい状況の中で、独力で問題解決へ知恵を絞る。これこそ、責任者に期待されている。
民主党は、国民の期待を見事に裏切った。再度、モラトリアム? 如何なものか。
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