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NHK連ドラ「フェイク」① [物語]

DSC08669番鶏図 (2).JPG私は、昨夜見た標題のサスペンスドラマの何に魅せられたのか?
第1回の昨夜は、伊藤若冲の幻の絵画「松樹番鶏図」(左の写真を参照)に纏わる物語だった事が大きな要因だった。昨年、12月中旬に伏見を訪れ、若冲ゆかりの石峰寺に詣でたことの因縁ではないか?と思ったからである。この番組があることを知ったキッカケも、そういった因果の糸に手繰り寄せられたとしか思えなかった。
伊藤若冲は正徳6年(1716)、京・錦小路にあった青物問屋「枡屋」の長男として生れた。4代目枡屋源左衛門を襲名。家業に熱心ではなく、若い頃から画業に励んでいた様である。初期作品には「景和」、「汝鈞」等と署名したが、「松樹番鶏図」は、若冲の名を号した最初の絵と、ドラマでは伝えていたがどんなものか?百年前から行方不明。今回のドラマで白黒の写真から復元したと言う。

ドラマは、ロンドンで発見された「松樹番鶏図」を中心に展覧会を企画した美術館の内覧会から始まる。そこに「盗難予告」が舞い込み、三条警察署刑事・白石亜子(南野陽子)等が警戒している最中、警察から依頼された美術の目利き:大学講師・浦沢ゆう(財前直見)が、「松樹番鶏図」を内覧会場で見て、「贋作が展示されている」とのメモ書きを美術館館長・向井忠(宅麻伸)に手渡す。それと前後して、六角通りのアパートで倉沢という男が殺されているという連絡が入る。警察は、倉沢が絵を持ち出し、それを依頼した首謀者が倉沢を殺したという筋立てで捜査を進めるが、浦沢ゆうは、絵を持ち出した日が雨だったことから、その筋立てを疑い、真相にたどり着く。
DSC08672若冲1.jpg
この物語の悲劇のヒロインは、美術館学芸員・小和田久美(松本明子)。
彼女は館長・向井忠と「松樹番鶏図」を追って世界中を探す旅を続ける内に、館長を思う様になってしまう。ゆうと久美が贋作の前若冲の名前の由来を話し合うシーン。ゆうが老子45章の「大盈若沖(冲は沖の俗字)」の意味「本当に満ち足りている者はむなしいようにみえる」と言うのに対して、久美は「(若冲は)ほんまに満ちたりていたんやろか?生涯独身、(40歳で)家業からも身を引き、ひたすら絵の道を究めた人生。まるで見つめるためだけに生れてきたみたいや」とつぶやいた。この言葉は、自分の思いに気付かないで、若冲の絵をひたすら追い求める館長のことを言っていたのである。写真は、久美が死に場所に選んだ石峰寺の若冲の墓を訪なうラストシーン。
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