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国家のリスク管理 [歴史]

故ケネディ大統領に、日本の政治家の名前を挙げてもらったら、「上杉鷹山」を挙げたという。
上杉謙信・直江兼続の系譜を継ぐ米沢藩の殿様である。上杉鷹山(1751-1822)は、1760年
上杉家に養子に入る。1766年元服。1767年(17歳)家督相続して、藩政改革を行う。改革で
画期的な成果を上げながら1785年(35歳)で引退する。上杉鷹山は素晴らしい改革者だが
ただそれだけではないから、故ケネディ大統領の心に届いたのである。

引退に当たって、跡継ぎである養父の実子・治広に与えた有名な「伝国之辞」は、
鷹山の先進的で素晴らしい政治理念を遺憾なく表現している。
1.国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして、我が私(わたくし)すべき物には之なく候。 
2.人民は国家に属したる人民にして、我が私すべき物にはこれなくそうろう。
3.国家人民の為に立ちたる君にして、君の為に立ちたる国家人民にはこれなくそうろう。

「伝国之辞」は、リンカーンの「人民の人民による人民のための政治」で有名な演説(1863)に
先立つこと約80年である事に注意したい。恐らく鷹山自身のオリジナルだろう。国家リスクは
人の物まねや口先ばかりの政治理念ではなく、先進的な新しい理念なくして管理できない。
普天間の問題にしても、いつまでも自民党のセイにしても仕方がない。沖縄基地の苦悩は、従来型
リスク管理では律しきれない。自民党以上の実力と先進的政治理念で取組まねば解決しない?
然るに、福祉、環境などの概念の後追いばかりで、何時までも税金、年金、借金のゴタゴタに
振り回されている。立派な政治家なら問題の本質に迫れ!然らずば、一般庶民と何ら変りない。

無能な国会や政府なら、樽床伸二議員の主張する少人数国会や小さい政府で充分ではないか?
小さな政府・大きな政府、民営化・国営化、という議論の前に、我々現代人が抱えるリスクの
新しい姿・形を予測し、回避すべきリスク、挑戦すべきリスクを将来に備え仕分けすべきでは?
その具体的管理をしっかりと立案し実行していくのが、国家(国会・政府)の役割では無いか?
リスク管理の基本はモラル教育であり、まともな国家の善良な国民は家庭や宗教で教育される。
例えば年金問題でも制度改革前に、年金制度が直面している新リスクの正体を見極めたのか?
旧態依然のリスクならば制度改革は専門家に任せておけばよいのである。役人や政治家或いは
国民のモラルの問題ならばいくら制度をいじってもダメだ。その仕分けは出来たのだろうか?
国家のリスク管理は、企業の商品開発のように選挙民の御用聞きでできるものではない。
先進的な理念、優秀な人材、更に卓抜した見識で国民を納得させて行うもの? 如何なものか。
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