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正論?暴論? [閑話]

月刊雑誌「Will」四月号に、曽野綾子の「生き残った世代の使命」という記事があった。
その中には、以下のような相当過激な言葉が散りばめられていた。
* 基本的生き方を忘れた日本人は、3.11後も平気で「安心安全」を使う鈍感人間。
* 原発反対を唱えるインテリは、思考が硬直化している事を露呈した事例だ。
* 政府援助前提の優秀な大学出身お坊ちゃん、お嬢ちゃんは、死滅する他ない?
* 遺体捜査には国のお金がかかる。無限にして良い事では無い。
* 想定外の状況で、生き方を自分の頭で考えられる人を育てる事=生残り世代の使命
この文章を悪意に取れば、幾らでも悪い方向に解釈できるだろう。しかし善意に解釈すれば
曽野綾子が、日本の現状を「井の中の蛙」と思え、やる瀬ない気持ちになるからだと思う。
彼女は、世界を飛び回って、戦争や内乱、政治の腐敗、堂々巡りの災害等で貧苦と病苦に
苛まれている多くの人々の状況を良く知っているからだ。

日本はなんだかんだ言っても、文明国で、教育も生産技術も最先端を行き、そしてまた
非常時には、人間本来の慈悲心を遺憾なく発揮できると、世界から高く評価されている。
しかし、そういう優れた側面に反して、現実の社会で議論されている事が、如何に偏狭な
視野狭窄的な状況に陥っている事か?それは例えば、原発の専門家の間でも、議論は全く
かみ合っていない事でも明白である。エネルギー問題も同様である。
何故、そうなるかといえば、少なくとも近代以降の日本人の議論は、議論をどんどんと、
すり替えて行くからである。例えば、沖縄基地問題も、移転問題から基地そのものの存続
問題にすり替えてしまっている。橋下の政治問題も、府の財政改善問題から国政における
道州制や地方自治法改正へと問題を転化している。問題のすり替えは無責任?

政治家が民衆の人気取りを本業とし、取上げた問題を、より大きな問題に転化して問題を
先送りするから、曽野綾子が指摘した上述の事態が発生するのである。民主党や自民党が
社会福祉を今まで金科玉条としてきたのも、橋下が、道州制や地方自治法改正へと問題を
転化するのも、どちらも権力維持のために問題を先送りし民衆を釣っているだけである。
日本は益々墓穴を掘る。現代日本社会が、曽野綾子のいう想定外の状況に陥っているにも
拘らず、現代日本の多くの人々は、自分の頭で考えられなくなってしまっている様だ。
「自分の頭で考えて生きていくことの大切さ」を学びとる機会として「東日本大震災」の
経験を活かす事は、現代日本の想定外の状況を切り抜けるためにも本当に大切だと考える。
何時までも口先だけの政治家に任せておく事は何時までも衆愚と言われる事につながる?
偽りの政治家、マスコミ、インテリに惑わされずに、自分の頭で考えよう!如何なものか
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