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橋下フィーバーと群集心理 [社会]

今朝の朝日新聞にも「橋下市長の大阪府民の支持率調査」というのが1面に掲載されていた。
1市長の支持率が大新聞の1面に載るのは珍事だが、橋下市長率いる維新の会が国政に関与
するから、という事のようだ。「次期衆院選で影響力を持って欲しいかどうか?」を問う
アンケートらしい。維新の会の詳細も立候補者の人物も不明確な状況で、回答者の回答に
どれだけの信憑性があるか知れたものではない。そんな質問をした結果を1面に載せるのも
狂っているとしか思えない。しかも調査母数:1443件、回答率64%。統計的信憑性は≒ゼロ?
従来、政党や政府の支持率調査でも、大新聞の世論誘導の手段として批判されてきた。
「維新の会」調査は、既存政党や政府の支持率調査よりも、一層酷い世論誘導である。

朝日新聞だけではなく橋下人気にあやかりたい大新聞は、こぞって関連記事を取上げている。
一番漫画なのは、「大阪維新の会」の選挙公約の事を、大新聞もネットも、なんの断りもなく
幕末の龍馬の船中八策にあやかって、「船中八策」等と呼んでいる事である。これは誰が
言い出したのか?橋下あるいは維新の会が付けたのなら、お前ら「馬鹿か?」と言いたい。
幕末の歴史的英雄とされている竜馬に、自らをなぞらえるとは、礼儀知らずにも程がある。
また、マスコミが付けたなら、公正が看板のジャーナリズムの名を返上してもらいたい。

私は「第二次世界大戦になぜ、日本は参戦したか?」を年来のライフワークとして、取組んで
きた。そして到頭、政治に群集心理を利用するマスコミの正体を目の当たりにした。
第二次世界大戦におけるマスコミの戦争協力は、軍部の締め付けのため、という口実が嘘だと
承知していたが、何故、マスコミが軍部のお先棒を担ぐ様な真似をしたのかが解せなかった。
しかし大新聞をはじめネットも含めて、皆が橋下を龍馬に見立て、橋下フィーバーに浮かれている
様を、誰一人可笑しいとも思わず浮かれている状況から、大凡の見当は付いたといって良い。

いつの時代にもいる衆愚というのは、困窮の原因を環境(社会)のせいにする。従って
橋下フィーバーに即座に反応し、便乗して、浮かれ騒ぐ輩が出てきても何ら不思議ではない。
しかしマスコミも分裂症患者なのか?困窮の原因を国家に押付けて恥じる事は無いのか?
橋下は、今や出来もしない国会改革、総理公選制、道州制などの誇大妄想狂に成りつつある。
何年も掛けて大阪府の問題も大阪市の問題も不十分なままで棚上げして、「船中八策」か
「船中泊」か知らぬが、そんなもので、日本の本質的な問題が解決すると思っているのか?
一般庶民が、生活の苦労から逃避するために、はかない夢を見るのは良いだろう。だが
真ともな知識人やマスコミが、今更、理想的社会を夢見て、愚かな群集心理をかき立てて
どうするつもりなのか?勿論、マスコミは、橋下フィーバーは金儲けのタネになるから、蜜に
群がる蟻の様に皆が群がるのだ。しかしそれだけだと、安心してはならない。
金を儲けに目が眩みだすと人間の強欲は、社会を破壊しつくすまで限界を知らないのだ。


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