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「てっぱん」10週・絆の解体と再構築 [物語]

この処、民男(前田航基)の家族とあかりの家族、二つの家族の話が平行して進んでいた。
今週は、民男の家族の展開を追うと、話の道筋が見えてくる。あかりの店では尾道焼に拘り
お客が減少して困っている時に、民男が大阪と尾道のお好み焼きについて何で片方だけの
選択なのか?「どっちかを選ぶなんてできひん」と先週いった言葉は、民男の家族に関する
選択の仕方でもあった。民男にとり、両親は離婚しても、どちらかを選択する事はできない。

絆の解体には、離婚、家出(蒸発)、死別など様々な理由があるが、解体された絆は、当事者
のみならず、様々な関係者に、その影響を及ぼす事になる。あかりの場合、両親は別れ、母親
とは死別して孤児となり、村上家の養子として育てられた。母系の祖母(富司純子)と再会し
その絆を再構築するために大変な努力をしている。まだ父親は分からない。
民男の場合は、離婚した母親が再婚して家庭をもち、民男を引き取りたいという。頼りない
父・中岡(松尾諭)と住みながら、東京の母親の家庭とも時々会う事にするという民男の選択。
愚痴や恨み言は一切言わず、前向きに新しく家族を再構築する。実に鮮やかな手並みである。
民男の書いた一枚の絵、それは再構築した自分達父子と母親とその夫もいる民男の家族だ。
大家を始め大きいお姉ちゃん(ともさかりえ)含み下宿人全員、それに伝さん(竜雷太)や
鉄平(森田直幸)もいる。民男はこれから本番だが、民男なら、きっと乗り越えるだろう。

あかりの母・千春の残した手紙は、「大山鳴動してねずみ一匹」?という感はあったが、
初音(富司純子)の心を解いたと言う意味で重要だった。家族の絆の再構築という面から
見れば、あかりのお母ちゃん・真知子(安田成美)の決断が光った。原点に戻って、千春が
書いた時点の気持を考えて下した決断である。絆を‘ほだし’に変換しないための配慮を
しながらも、絆を大切にするために何が大切かを、しっかり見極めることが重要なのだ。

昨日のブログに少し書いたが、現政府は、マルクス思想により社会で子どもを育てるから
家族を軽視してもよい、或いは重要視しない、という政策を採っているそうだ。
子育てにおける家族貢献度をきっちり調査しているのか?或いは孤児院で育った人の方が、
一般家庭で育った人よりも優秀だという統計でもあるのか?統計では真実は見えないが。
「てっぱん」物語は、片親家庭の子、養子で育った子が、必死で自分の家族の絆を再構築
している姿を描いている。ホンの一部の家族崩壊でも大変なのに、多くの家族が解体され
たら、どんな社会になるのだろうか?政府は予測した上で軽視しているのか?如何なものか。
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