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サスペンスと夫婦 [物語]

録画撮りで昨夜観たサスペンスドラマ「たたき上げ刑事・近松丙吉8」は、すれ違い中年夫婦の
悲しい物語だった。ケーキ作りのコンクールで入賞した妻(かとうこずこ)がカリスマ主婦となり
超多忙で、夫(石丸謙二郎)や息子と深い溝が出来てしまう。何とか家族を取り戻そうと焦って
いる内にトラブルに巻き込まれて殺されてしまう。非常に難解な事件で、捜査は二転三転するが
たたき上げ近松丙吉(伊東四郎)の独特の捜査は、周りに迷惑をかけながら、読みが当たり、
最後には意外な犯人に辿り着く。ラストシーンで丙吉は、奥さんが大切にしていた家族の写真を
返却する時に、夫婦共に寂しかったのを我慢した事が不幸を招いたのだと叱った。
「何故、寂しさを奥さんにぶつけなかったのか」と。互いが家族を大切に思っていたのだから
思いを伝えれば、大きな溝にならず、元の家族を取り戻せただろう。
“包容力”や“度量”を気取った優柔不断な夫役を石丸謙二郎が好演していた。

先週の「てっぱん」で、隆円(尾美としのり)が、あかり(瀧本美織)に男ができたのでは?
と錠(遠藤憲一)を不安がらせる場面がある。久太(柳沢慎吾)が、なぜ錠に意地悪するのか?
と問われて、隆円は「真知子ちゃん(安田成美)が何で錠を選んだのか未だにわからん」と
27年前に拘り続け、「錠の度量を見とるんじゃ!」と答えていた。錠は熱血漢で、情にもろく
強さもあるが、隆円のいうような度量という点から言えば、隆円がまさっているに違いない。
しかし女性の全てが隆円の言う様な度量、言い換えれば「優しさ」だけを求めているのではない。
隆円は、そこを理解していないのではないか?

昨日だったか? 山路徹(ジャーナリスト?)の麻木久仁子と大桃美代子との関連インタビュを視聴した。
ははあ!多くの女性が、こういう人を度量のある優しい人と、あこがれるのかな?と思った。
人にはそれぞれの生き方、考え方があっていいと思う。しかし「真実」を語ったにも拘らず
麻木には「優しい嘘」と採られ、「優しい沈黙」と考えた沈黙は、大桃に「冷酷な沈黙」と
思われる。どちらにしても、彼の真意は相手に伝わっていない。優しさと真実の使い分け
それが、夫婦の溝を深めもすれば、破局にもなる。山路はどちらも破局だった。

優しさ・度量だけでは、偽りの夫婦関係を保つ事は可能だが、芸能界ではとても続かない?
心の叫び・真実の思いを互いに語り合い、それを乗り越えて互いに成長・進化する。それが
本当の優しさ・度量ではなかろうか? てっぱんの錠と真知子が、素晴らしい夫婦であるのは
二人に、そういった本当の優しさ・度量があるということではないか?如何なものか。
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