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政策は政争の道具か? [社会]

月刊「文芸春秋」2011・1月号に古賀茂明(前公務員改革事務局審議官)の取材記事が
載っていた。「通産省キャリア 覚悟の手記」取材・構成は横田由美子(ルポライター)。
主題は、“誰が公務員改革を潰したのか” である。
古賀氏は記事の最初に「平成維新」、「第三の開国」、「過去と不連続の改革」を謳っている。
いつもの私なら、そこから先には読み進まなかった。考え方が違いすぎて参考にならない?
しかし、公務員改革は、既に誰かに潰されたようだから、改革議論にはならないだろうと。
今回は、主題の公務員改革を潰した犯人探しのために先に進んだ。結論から言えば、
改革潰しの主犯は影の総理らしい。(私の読み間違いかも知れないので婉曲表現とした)

この記事は、福田政権下の2008.07月に古賀氏が改革審議官に就任して以来の公務員
改革の紆余曲折を知る上で便利な文献だと思う(特に私のような素人にとっては)。
私は公務員改革などに全くの素人だが、官僚制度改革は行わないといけないと思っていた。
理由は、江戸幕府末期の無能官僚群のようになってはならないと考えていたからである。
しかし、渡辺喜美氏の本を読んで、そこに書いてある公務員改革は、急進的で、日本的な
風土にはそぐわないと思っていた。古賀氏の公務員改革も、大体、その線の様である。
明治維新後の日本の歴史を考えるとき、不連続改革は、日本的プリンシプルを喪失し、
行方定めぬ航海に出てしまう恐れがある。私見では、日本の改革は、不断の努力によって、
改良を重ねる事で、革新につなげる「トヨタ式生産方式」的な方法論をとるべきだと思う。

公務員改革は一旦潰れそうだが、潰してしまうわけにも行かない。
それにしても、この記事を読むと、政策というのは政争の道具だと言う事がよく分かる。
民主党のやり方は特に酷い。国民の関心の深い政策(例えば子ども手当)は、財源無でも
ごり押しで子孫に負債を残す事など屁とも思わない。また公務員改革は票になりそうだと
チョッカイを出して、労働組合の反対に会い、国民の関心が低いと思えばポイ捨てである。
民主党のマニフェストに謳っていた内閣人事局や、国家戦略スタッフ構想、公務員改革等は
自民党からのパクリだったのである。敵のマネをしても、勉強して前に進めるならまだしも
ろくに勉強もせず、政権をとってから付け焼刃の勉強会をしている。準備不足も甚だしい。
古賀氏は、心ない民主党の政治家に翻弄されてエリート官僚の道を断たれるかも知れない。
それでも彼は、「派遣切りされた方々に比べればなんと幸せなことか!」 また「ガン再発の
不安に比べれば、仕事のリスクに鈍感になれる(思い切って仕事が出来る)」といっている。
彼の様な官僚を活かして国の安泰・国民の幸せに結びつけるのが政治家のリーダシップでは
なかろうか? そういう政治家を生む原動力は国民の創意と総意である。如何なものか。
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