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「おひさま」第16週・余話 [物語]

第16週では、過去を振り返る場面が幾つかあった。そんな場面を思い起こしてみよう。
最初は、陽子(井上真央)の祖母・富士子(渡辺美佐子)の引止めに伴うもの。
その夜、仮病騒動も落着いて、陽子、徳子、富士子が居間で寛いでいる時を見計らい
いよいよ陽子が、「おばあ様と一緒に暮らしたい」と切り出す。富士子はその申出を
心からよろこんだ。恐らく、それは10年以上前に、初めて須藤家を訪ね、娘・紘子の
位牌に参って、翌日、陽子と飴屋「村上堂」で語り合った時からの願いであったろう。
富士子は飴屋で陽子に、「自分達夫婦は紘子と親子の縁を切った。貴女と私が一緒に
生きる事ができないのは、わかるわよね」と、話して聞かせたことを回想していた。
当時、富士子は陽子たち須藤家の人々に冷たく接しようと心に期していたに違いない。
しかし、陽子と話し、意地っ張りな性格や、紘子が命名した「太陽の陽子」にまつわる
経緯等から、紘子を介し、自分と陽子が太い絆で結ばれている事を強く感じ取っていた?
おまけに、陽子は自分と同じ様に裁縫まで苦手という。
一人娘の紘子には早くに先立たれ、また夫も他界して淋しさの募る富士子にとって、
陽子の「一緒に暮らしたい」という申出は、どんなにうれしかったことであろうか?

もう1つの回想は、育子(満島ひかり)が丸庵を訪問した時に富士子と再会し、一別来の
話題で、育子が東京大空襲に会い、大変な思いをした事などであった。その時に、育子は
「もっと大変な思いをした人が他にいっぱいいる」と言ったのに対して、富士子は言った。
「苦労の重さは比較して決めるものではない。自分の辛さ、大変さを、人と比べて
 大した事はないと思う必要はない。貴女は大変な思いをした、辛かった、悲しかった。
 それだけで良い。誰かと比べる必要なんてない。」
この言葉は、ものや心の豊かさに関しても、通じる言葉ではないか?そう思った。
育子を真知子(マイコ)と陽子が、救出に駆けつける話も回顧された。その話を聴いて
富士子は、「素敵な友情ね」と、絶賛していた。

茂樹(永山絢斗)が、丸庵を初訪問した時に、茂樹と初対面だったのは、道夫・徳子の
夫婦と育子だけで真知子は過去に会っているという話で、その時のことを思い出した。
確か真知子が休校しているのを心配して、陽子だけで真知子の自宅を訪問した時だ。
幼い頃から許婚のある真知子が、松本で春樹(田中圭)と会い、恋をしてしまう。
頭脳明晰の真知子が、大食して許婚に嫌われるという変な作戦を立て、その巻添えで
陽子は腹痛を起こし、茂樹にリアカーで迎えに来てもらった。あの時、茂樹は陽子に
「お前を嫁に貰う男は、世界一の幸せ者だと思うよ!」と言った。 如何なものか
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