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「おひさま」と女たちの世界 [物語]

今週(第16週)の御題は“女たちの時間”だが、私は「女たちの世界」とひねってみた。
女たちの時間、女たちの空間、即ち女たちの世界に、男は入れない?
まあ、男たちの時間・空間、すなわち男たちの世界もあるのだろうからお互いさまか?
女たちの世界には、独特のマナーがあるようだ。夫を亡くし、安曇野を訪ねてきた富士子
(渡辺美佐子)を、ひき止める時にも、まどろっこしい手続きを踏んでいた。
神蔵(中原丈雄)が下手な芝居を打って富士子を騙す作戦は成功したかに見えたが、実は
富士子は気付いていて、騙される振りをして、孫や丸山家の好意を喜んでいたのである。
こういうマナーは、富士子と陽子(井上真央)との気持を擦り合わせるため、また徳子
(樋口可南子)の気持ちの整理のためにも、必要な手続きだった?

印象的なのが道夫(串田和美)の扱い。そばを毎日探して、夜遅く帰宅したにも拘らず、
富士子に泥棒と間違えられてしまう。また和成(高良健吾)は台本作成で一役かったが、
徳子からは皮肉を言われ、富士子からは下手な台本だと貶されていた。男は、
この様な場面には関係ないのである。女の世界には、「さわらぬ神に祟りなし」か?

女たちの時間におしゃべりは付き物。陽子のお腹の様子を見にきた真知子(マイコ)と
育子(満島ひかり)の三人のお喋りを見聞しながら、昔のことを思い出した。
わが家の子ども達が学生の頃だったと思うが、団欒時に娘が話をして、盛上がった後、
息子が「お姉ちゃんの話にはオチがな~い!」と、よくからかっていた。
男の話には、主義主張とか、落語のオチのようなユーモアとかがないといけない様だ。
真知子の喋りが、陽子の質問で、次々に展開し、ながながとした話になってしまったが
結局は、お見合いをして断っただけの話?真知子の話にも、オチも主張もなかったが、
「こういう話を三人でしたかった。そういう風になりたかった。それが私の戦後の始まり」
という。大切な人が、戦争で亡くなった傷も癒えつつある真知子の近況報告は、大いに
中味があった。女性の話には、オチや主張がなくても、女同士が分かり合える心の陰影を
間接的に伝えるものがある。簡単に価値付けしてはいけないのではないか?

女の世界と男の世界が、摩擦を起す場面が茂樹(永山絢斗)の丸庵初訪問場面にあった。
茂樹が、陽子の姿を「タヌキの置物」と評したのにつられてつい和成が笑ってしまった。
それを見逃さなかったふくれっ面の陽子を庇って徳子が「それを笑っちゃダメだは」と
言ったのをキッカケに、富士子、育子、真知子も次々と和成に非難の言葉を浴びせた。
男は無神経とわかっていても夫は身ごもる妻を無神経に見てはいけない?如何なものか

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