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閑話'10.08.13 [社会]

盆休みで帰省していた息子を空港まで送ったついでに、週刊誌を買った。
その週刊誌「週間現代」に、“スウェーデンは本当に幸せな国なのか”という記事があった。
菅首相の「強い福祉」という政策でスウェーデンの注目が増しているが、果たしてどうなのか?
記事の内容は、大まかに、3つの部分に分かれている。1つは、スウェーデン人と結婚して
ストックホルムで小学校教員として働く日本人女性(E.F)のスウェーデン観である。
スウェーデン社会の問題点を、①教育、②年金、③医療、④就職難に分けて書いている。
E.F女史には2010.07.21の朝日新聞に「スウェーデンは理想郷では無い」という投書がある。

2つ目は、「スウェーデン 高い税金と豊かな生活」の著書がある明治大学・星野泉教授の意見
である。学校のレベル、教員の質、或いは医療、就職難などE.F女史の意見を肯定している。
「スウェーデン 高い税金と豊かな生活」を肯定している星野教授が、E.F女史の意見をも
肯定する事に、矛盾を感じるだろう。その謎を、第3番目の意見が種明かししてくれる。

3番目の意見は、3年半、スウェーデンの大学に留学した女性などによるものだ。彼女曰く
多くのスウェーデン人は、プロテスタントの一派(ルーテル派)で、質素な暮らしを好み
長時間待たされる病院でも、文句を言っている人を見かけたことがない。また酒は好きだが
値段は日本の倍くらい。お金がなければ質素な食事で我慢するのだという。

「高福祉社会」というスウェーデンの看板は、日本人にとって相当、眉唾ものである事は
この記事や、E.F女史の2010.07.21 朝日新聞の投書を読んでも明らかである。
この記事を読んで民族の歴史や宗教、伝統・文化、気候風土という違いを抜きにした
“福祉論争”は、不毛であると、つくづく思った次第である。

明治以来、西洋に追いつけ追い越せ!と頑張ったツケが、第2次世界大戦であった事を忘れ
戦後も、またぞろ、バスに乗り遅れるな!追いつき追い越せ!でやってきた。政権交代で
少しはまともな意見でも出てくるかと思ったら、またぞろ、高福祉社会などとバカをいう。
「福祉」の基礎になる思想が全く違うプロテスタントの北欧人の形だけ真似てどうする気?
まだ懲りずに猿真似を続けていくというのか? スウェーデンの「福祉」のベースは、
正直・親切(利己主義の排除)、質素・勤勉である。この様な言葉が既に死語となりつつある
日本社会で、スウェーデンの「福祉」が成り立つと思うのか? 如何なものか。
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