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続・映画「Railways2」 [大家族]

今日はおおむね晴れたが強風。この時期の空冷は、私の年では気持ちよいとは言えなかった。
映画「Railways2」について印象に残ったシーンを、思い出すままに書き綴ってみたい。
先ずは、佐和子(余貴美子)と担当する患者・信子(吉行和子)との夫婦に関するやりとりだ。
病状の急変で入院し、退院の許可がおりない状況の中、佐和子が信子の希望を尊重。頑張った
お陰で、再び自宅療養になった信子と佐和子とには、信頼の絆ができていた。佐和子が、
信子と今は亡き彼女の夫とが、長い年月に渡って添い遂げた理由を訊いた場面である。
信子は語った。「或る時ね、きづいたがじゃ」、「“お”じゃなくて“ぺ”なんだって」
 「夫だと思うからシャクにさわるし、疲れる。ペットだと思えばいいがよ。」
 要は、夫なんていう動物は、わがままなペットだと思えば、我慢も出来るという事らしい。

私は、なるほど!と合点した。こういう話は、字面にこだわっていては十分理解できない。
ポイントは、信子が夫を見る視点の変更である。何時も何時も同じ所から視るのではなく
視点をずらしてみる、発想を転換してみるという気分の転換こそ、大切なのである。

私の様な凡人は、聖人君子のような立派な人間を目指していない。ただ自分らしい人生を
全うしたいと思っている。しかし「自分らしさ」とは何か?を考えるとなかなか奥が深い。
視点、発想、気分も、何時もコロコロ変えてばかりだと、自分は誰?という事に成りかねない。
信子の独創的な発想の転換は、彼女が夫婦とは何か?真剣に取組んだから出てきたのだろう。
自分らしい人生を器用に生きようと思うから難しくなる?不器用も良いのではないか?

次に思い出すのは滝島徹(三浦友和)と新米運転士・小田(中尾明慶)とのやり取り。映画全編の
中で大きな比重を占めていて、幾つものシーンのまとまりとして印象深い。仕事を通じて後輩を
育てる経験は多くの人が持っており、本映画を見て感慨深く思った人も多いと思う。それにしても
定年間際の徹の新人育成への熱い情熱には驚かされた。言い換えれば定年間際であるにも
関わらず、運転士という仕事への情熱に衰えを感じさせないとさえ、言えるのではなかろうか?
徹は最初、小田に「お前は運転士に向いていない」と言った。それは、若い頃の徹を指導した
先輩・吉原(米倉斉加年)から言われた言葉だ。徹は楠木(中川屋礼二)にも言ったらしいが、
楠木は頭から“見込みがある奴にしか言わない”と思い込むような楽天家だ。映画の最後の方、
徹と小田の心が通じた後、小田が徹に「滝島さんの様に無事故のうまい運転士になりたい」と
言った。すかさず徹が「無事故の継続は運転がうまいからではない。運転が下手だから反省して、
同じ失敗を繰返さない事を心掛けたからだ。」と自己の真骨頂を明らかにした。小田は滝島先輩
から免許皆伝を授与された。そして徹は不器用を再認識した。これで運は開ける?如何なものか
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