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「おひさま」第13週 [物語]

NHKTV小説「おひさま」の第13週は、ドラマ構成上の理由か?様々な事が一挙に起こった。
それで、物語の内容をどういう風に整理すれば良いか?切口がなかなか見付からなかった。
だが土曜日の最後の場面を見落としていた。第78回の最後、和成(高良健吾)の帰りを
待ち侘びていた陽子(井上真央)が、急に目の前に現れた和成に驚き腰を抜かした場面。
これは、チョッと面白い。当時、そういうことも多かったのだろうか?そこで、私は、
陽子の人柄という切口から、今週の「おひさま」を見直したいと思った。

私は「太陽の陽子」というキャッチフレーズから、陽子は、心身共に逞しい女性という
イメージを、勝手に想像していた。しかし、回を重ねるごとに、その想像が間違っていた
のではないかと、感じていた。その事については、「おひさま」第12週でも触れた。
陽子は従来の朝ドラキャラではなく、周囲の人々の思いを受止め、相乗作用を行う役柄?

それにしても、心待ちしていた和成が、突然現れたからと言って、腰を抜かすとは?
陽子は逞しいというよりも小心者? 何処にでもいそうな、心優しい女性だった?
師範学校の入試の時にも、カチカチに緊張していたのを、春樹(田中圭)に助けられた。
終戦の時にも頭の中が整理できなくて熱を出した。初恋を失恋した時にも熱を出した。
ナレータ(若尾文子)も、陽子は初体験に弱いのだと言っていた。

少女時代の陽子は茂樹(永山絢斗)の食事作法を注意していたが、それは母親の真似?
第73回、父・良一(寺脇康文)が、名古屋から引上げてきて、丸庵に寄ったときに
「陽子は(丸庵の)お母さんに似てきた」と感想を漏らした。これらからいえる事は
陽子は、家族など周囲の人々から素晴らしいイメトレをして貰っているということだ。
一番のイメージトレーニングは、「太陽の陽子」。そして「心に太陽を持て」。
「悲しい時には笑顔を」という母親の教えを、陽子に思い出させた優等生の春樹ですら、
母・紘子(原田知世)が亡くなった後、陽の字がつく陽子の名をうらやましがったという。

春樹は出陣に臨んでその本音を茂樹に吐いた。弟だからだ。茂樹は職業軍人の誇りから、
いつも負けていた兄貴に建前を言ってしまい、心の負担を負ってしまった。
そういう兄達に対して、陽子は本音とも建前とも区別できない心境で生きていく。例えば
終戦後に、教師辞職の決意後、夏子先生(伊藤歩)の説諭によって、素直に決心を変更。
困難な道を選択した。優柔不断という批判もあるだろう。しかし陽子は、周囲の人々から
忠告やイメトレなど、暖かい支援を淡々と受入れて、また周囲にお返しをするのである。




「太陽の陽子」とは、「心に太陽を持つ陽子」ということではないか?「太陽の陽子」
というイメトレによって「心に太陽を持つ陽子」へと発展していく基本を考えてみた。
陽子がただの良家の子女と異なるのは10歳で病弱の母を亡くし、母の生前から家事手伝。
母の死後は、母代わりに、家事をしていたという点である。未成年者労働に耐えたて、
毎日の日常的な家事労働をやってきたのは、大変に粘り強い根性を持っている証拠?

それと、もう1つは、切替えの早さである。例えば丸庵との縁談。徳子(樋口可南子)の
一方的な持込であったとはいえ、陽子は、千載一遇のチャンスをものにした。
父・兄たちが皆、家からでていくという境遇ではあったが、自ら求愛し?あっさりと結婚。
この辺りのチャッカリ屋さん性は、親友の真知子(マイコ)や育子(満島ひかり)には
ない? 富士子おばあさん(渡辺美佐子)からの隔世遺伝ではないか。

このように、今までのエピソードから陽子の人柄を考察してきて、
第13週という中味の濃い、重い出来事が重なる多事多難な時期、陽子がチエ熱程度で
心身の異常を来たさなかった理由が、若さだけではない事を、理解できた気がする。
< 夏子先生は、婚約者(広島)の原爆被害の問題で、体調を崩された。 >
陽子は、何処にでもいそうな心優しい女性のようにみえるが、気も強く身体も頑健。
そういえば、師範学校受験で体操が得意と言っていた。また、女学校時代に白紙同盟に
参加した、唯一人の一般学生だった。(真知子、育子は、学内崇拝者多数の超有名人)
師範学校受験の口頭試問で、白紙同盟のことを喋ったというお気楽さも強みだ。
真知子、育子と対等以上に、美味しいところをさらって行く役どころが嫌味に見えない。
脚本が良いのか? 役者の井上真央が芸達者なのか?なかなかのものである。
陽子の潜在能力が、戦後、どのように花開くのか?今後が楽しみだ。 如何なものか
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