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「おひさま」第12週 [物語]

太陽の陽子(井上真央)は、元気で前向きという従来の朝ドラのキャラクターではない?
従来の朝ドラキャラは、育子(満島ひかり)や真知子(マイコ)の親友たちが受け持つ?
陽子は、親友達をはじめ、様々な人々の思いを受止め、相互の輝きを増すという役柄?
その本質は、でしゃばらないけれど、肝心要・重要な所では人の思いを深く受け取る。
ヒロイン役の井上真央は、そういう難しい表現が上手いから、ドラマが成功している?
そう思ったのは、東京大空襲後、消息のわかった育子に会う為に東京に行く話である。

育子の消息調査をはじめ、育子に、病院で再会するまでの主要人物は真知子だろう。
安曇野の帝王こと父・剛三(平泉成)の情報網を活用。育子の惨状を知り、真知子は陽子に
同伴を依頼したのだと思う。大体、陽子は当時、東京の地理がわかっているはずがない。
まして大空襲で焼野原になり、何の目標もない中で病院にたどり着けるか?
剛三の部下などが、影で助けていたとしか思えない。
そう考えると真知子は、大空襲後の育子救出大作戦の中心人物、最大の功労者でもあった?
しかし育子が、真知子と陽子に再会するシーンで印象的だったのは、陽子がその中心人物に
なってしまっていることである。ヒロインが陽子の物語だから、当り前と見るべきなのか?
それとも親友達の思いを受止める陽子の心栄えが素晴らしく、そういう瞬間、太陽のごとく
輝くから、さまざまな個性のぶつかり合いを、マイナスではなくプラスに働かせるのか?
その辺をつぶさに観察するために、少し再会シーンを再現してみよう。

大空襲で瓦礫の中に閉じ込められた育子は、医大生・上原(高橋一生)に助けられた。
上原は育子に一目惚れ。二人はまた空襲に会い、意識不明で病院へ。二人は病院で再会。
育子は快方へ、しかし上原は徐々に四肢の感覚も視力も衰えて行く。
上原は入隊する予定だった。育子を助け、育子と恋することもでき、素晴らしい人生だと
育子に告げて死んでいった。育子を助けようとしなければ、上原は助かった?

育子は、「・・・・上原さん 恋が出来て良かったと言ってくれた。私も好きだなーって思った。
それなのに私 どうしたら良いかわかんねーよ!ねー! どうしたら良い?」と泣き崩れた。
陽子は、育子に安曇野に帰ることを提案し、真知子も帰郷を勧めた。
しかし育子は、泣きべそをかき、二人の顔色を伺いながら、首を横に振った!
そんな膠着状態の中、育子の前に座っていた陽子が育子の左側、そして真知子も右側に。
更に陽子が負傷の左手を庇い、育子を抱きかかえ「一緒に帰ろう育子」、と共に泣くシーン。
陽子が真迫の演技で「もう一人になんてできない・・・・」と言った時、やっと育子は頷いた。
良く聞き取れないセリフだった。この後、横にいた真知子は、そっと育子の右手を握った。
育子は泣きながら一瞬、真知子を見やりまた元の陽子の腕に頭をゆだねて泣き続けた。


真知子は、育子のあれこれを考えてしまう余り、陽子の様に育子の立場になり切れない?
大空襲後の育子救出大作戦は、真知子のイニシアティブ、そして面会場面での陽子の主導、
真知子のアシストで成功したのではないか? どれ1つ欠いても成功しなかった?
中でも育子の傷心を、深く深く受止めた陽子の働きは、育子の心の傷を最小化したのでは?
ただ現実には、真知子の様にあれこれ考え、なかなか率直な行動に出られないのが普通?
演技なら陽子のようにうまく行くかも知れないが、実人生はいい加減では迷惑だろう。
ドラマの陽子は、真に心を受止められる希な人だから「太陽の陽子」なのだ。如何なものか

陽子には和成(高良健吾)から依頼された両親の徳子(樋口可南子)・道夫(串田和美)を
守るという大切な約束があったはず。育子に会いに行くことを自分から発想するはずはない。
しかし育子の窮状と真知子の思いを知った以上、頼まれたら後には引けない陽子であった。
この徳子・道夫の夫婦と陽子の二日にかけてのやり取りは、素晴らしいものがあったが、
時間の都合上、今回は割愛せざるを得なかった。

NHKTV小説「おひさま」も12週が過ぎ、12/25=0.48と、ほぼ半分に差し掛かった。
この物語は戦前の13年間に48%を費やしたのだから、来週からの戦後も、混乱期に力点が
置かれるのではないか?と予想してみた。
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