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「おひさま」に思う [閑話]

NHKTV小説「おひさま」を視聴していると、さまざまな事を思い出させてくれる。先日も
杏子(大出菜々子)が竹槍訓練の藁人形に真剣に立向い体当たりして‘両親を返せ’と
泣く場面があった。ご近所の人々によるバケツリレーによる消火訓練の場面もあった。
竹槍による軍事教練や、バケツリレーの消化訓練など、今から考えると児戯に等しく
大真面目に行っていたことをバカにするのは、簡単な事である。また、群集心理だ!
いや、付和雷同だ!と、批判することも容易であろう。私もそう思っていた節がある。
しかし、人生を長く生きてきて、また「東日本大震災」などの経過や、政治のあり方を
見ていて、我々は、やはり、何かを見失っているのではないか?と、思うようになった。
見失ったものを探す為に、福沢諭吉大々先生の「文明論の概略」を批判的に読んでみた。

福沢先生は、旧道徳が解体した明治維新後の金儲け万能主義を批判している。
先生は、そういう精神的空白後に、日本人民がなすべき大切な覚悟をまとめられているが
残念ながら、そういう方向ではなく、ご存知の通りに、第二次世界大戦で大敗北した。
大戦後は、明治維新後と同様、旧道徳解体と、擬似民主主義、自由主義で拝金主義となり
福沢先生の「大切な覚悟」は忘れ去られ、拝金主義傾向は、止まる所を知らない。

「おひさま」で、第二次世界大戦の惨状を思い出すにつけて、一体、明治維新って何?と
いう疑問が湧いてくる。「維新々々」と連呼する今時の脳天気な政治家が、いまもなお
「維新」というキャッチフレーズで選挙民の票を稼げる理由を考察した。そして分った!
現代の「維新」も、明治維新における「王政復古」と同様、人民の懐古の至情に訴えると
いう手法である。この手法こそが近代的知識と、「神話」の鼓吹とを両立させたのだ。
ドイツや日本のファシズムが成立し得た背景に、深層心理の活用があったのでは?
そして、現代日本でも、広告宣伝の心理手法を応用して、「維新」を連呼している?

こんな古臭い手法が現代にも通用するのか?「維新」を連呼する脳天気な政治家が充満。
止まる所を知らない日本人民の拝金主義傾向に、バラマキ政治が常識化・一般化?そして
福沢先生が最重視した「外国交際」に関して、民主党政権には「大切な覚悟」がない。
国会議員や地域の首長さん達が、古臭い手法を使って、何時までも日本史上で「維新」を
至上の価値があるかのごとく言いふらすこと自体、日本の知性や叡智を疑いたくなる。
このように見てくると、日本の現実は、見失ったものだらけ? 如何なものか
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