利と義と・4 [物語]
今日はどんよりとした曇り空で、午前中は雨もぱらつき花冷えもここまで寒くなるか？と思う
様な一日だった。 午後は遅くに晴れ渡ったが、かえって冷えて風も強まり花が風邪を引く？
さて、ＮＨＫ大河ドラマ 「天地人」 も、上杉謙信が死んで丁度一ヶ月、後継者の跡目争いが
続いている。とても “義” を云々する状況ではなさそうである。
後継者候補の影虎も景勝も本心はどうか分らないが、当初表面上は “義” を建前としていた
ようだが、家臣団の利権争いが、跡目争いの導火線になってしまった。
両陣営の組織として、“利権” 争奪になったら、力（武力や金力）による解決しかない。
“義” というのは、社会秩序を維持する１つの手段であり、主君のためとか領民のためという
錦の御旗などと同様の概念である。“利” を求める人間の欲望を、秩序が乱れない範囲内に
治めるために必要な考え方だが、分ったようで分らない。まるで玉ねぎの皮剥きのようだ。
その謎は、江戸時代の 「士農工商」 という階級社会を考えてみると意外と良くわかる。
江戸時代の武士は、父祖伝来の知行や俸禄という収入が保証されていたから、基本は、“利”
を追求しなくて良かった。収入の心配をしないで社会秩序の維持に専念することを “義” と
考えればいいわけである。 残念ながら、構造欠陥のために、その通りに運用できなかった。
明治維新後に、武士だった人が商売に手を出し、「武士の商法」 と笑われた。
昔の日本、特に武士階級では、“利” は悪と考えられていたから武士には商売は無理だった。
商人は、そういう卑しい行いである “利” を追求する人間と見られ、階級が低かった。
松下幸之助の “営利と社会正義の調和” といった考え方は、江戸時代の商人たちが創造した
“商人道” を受け継いだものである。世の中の変革は、社会の中心部からではなく、周辺部
から起こると言うが、まさにその通りだった。 江戸時代の構造的欠陥をついて、着実に力を
つけた商人の天下が到来すれば幸いだったが、黒船の来航の方が早かった。
様々な紆余曲折があったが、日本的民主主義の社会においては、
2009-03-10のブログ、「利と義と･3」で取上げた松下幸之助の“営利と社会正義の調和”の
言葉があらわすように、“利” と “義” とは相反する概念ではなく、相補う概念となった。
グローバルな時代の “義” とは何か？具体的な “利” との相補関係は？ 如何なものか。
様な一日だった。 午後は遅くに晴れ渡ったが、かえって冷えて風も強まり花が風邪を引く？
さて、ＮＨＫ大河ドラマ 「天地人」 も、上杉謙信が死んで丁度一ヶ月、後継者の跡目争いが
続いている。とても “義” を云々する状況ではなさそうである。
後継者候補の影虎も景勝も本心はどうか分らないが、当初表面上は “義” を建前としていた
ようだが、家臣団の利権争いが、跡目争いの導火線になってしまった。
両陣営の組織として、“利権” 争奪になったら、力（武力や金力）による解決しかない。
“義” というのは、社会秩序を維持する１つの手段であり、主君のためとか領民のためという
錦の御旗などと同様の概念である。“利” を求める人間の欲望を、秩序が乱れない範囲内に
治めるために必要な考え方だが、分ったようで分らない。まるで玉ねぎの皮剥きのようだ。
その謎は、江戸時代の 「士農工商」 という階級社会を考えてみると意外と良くわかる。
江戸時代の武士は、父祖伝来の知行や俸禄という収入が保証されていたから、基本は、“利”
を追求しなくて良かった。収入の心配をしないで社会秩序の維持に専念することを “義” と
考えればいいわけである。 残念ながら、構造欠陥のために、その通りに運用できなかった。
明治維新後に、武士だった人が商売に手を出し、「武士の商法」 と笑われた。
昔の日本、特に武士階級では、“利” は悪と考えられていたから武士には商売は無理だった。
商人は、そういう卑しい行いである “利” を追求する人間と見られ、階級が低かった。
松下幸之助の “営利と社会正義の調和” といった考え方は、江戸時代の商人たちが創造した
“商人道” を受け継いだものである。世の中の変革は、社会の中心部からではなく、周辺部
から起こると言うが、まさにその通りだった。 江戸時代の構造的欠陥をついて、着実に力を
つけた商人の天下が到来すれば幸いだったが、黒船の来航の方が早かった。
様々な紆余曲折があったが、日本的民主主義の社会においては、
2009-03-10のブログ、「利と義と･3」で取上げた松下幸之助の“営利と社会正義の調和”の
言葉があらわすように、“利” と “義” とは相反する概念ではなく、相補う概念となった。
グローバルな時代の “義” とは何か？具体的な “利” との相補関係は？ 如何なものか。
2009-04-01 20:16
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コメント(3)
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我が家も全員で毎週天地人観ています。私は更に今更竜馬がゆくを読んでいたり。(笑)
(与六みようってkotoや特にryuに誘われ)子供たちにはある意味新鮮で刺激的な未知ジャパン、と言った所でしょうか。
義と利の密接な関係はなるほどですね。
日本の義として松下幸之助が雇用守って乗り切った時代からから80余年？の現在。
今や帰休日(給与カットの休み)設定でどうにか雇用者守る対策企業と弊社の様に体制のｽﾘﾑ化で企業経済回復計る企業と。どちらにもそれなりの義も利もあるようだけど、どちらが…という回答はあるのかどうか。正に見に染みる話題だわ。
そうそうpapaが昔手入れしていた刀はまだあるの？
天地人みてふと。
by keiko (2009-04-02 23:27)
keikoさん、「竜馬がゆく」を読んでいるとのこと。素晴らしい！
与六は、少年時代の加藤清史郎君が凄い演技だったからね。
ryuは自分に、kotoはおにいちゃんになぞらえて見たのでしょう。
だから、その将来に関心を持ったのだと思います。
自分の将来という事に目覚め、或いは目覚め始め、見つめているryuやkotoの
ような輝く瞳を大切にしたドラマだといいですね。
刀は、倉庫でチリを被って錆びだらけと思いますよ（笑）
義と利について、私の最近の心境は、謙信や兼続の時代、或いは幸之助の時代
の義は、科学技術という利器に助けられて、バカな戦争でもしなければ、既に
達成していると思っています。
しかし、これからの時代は一都市、いや一国が吹き飛ぶエネルギーが指一本で
扱えるという、幻想の時代に突入しており、そういう問題を解決するには、
人間はあまりにも非力に見えます。結局、一人の人間としてみた場合、古代の
人となんら変わりない非力さのように見えます。従って、自暴自棄な快楽主義
や、利己主義、虚無主義、絶望などが渦巻くことでしょう。しかし、古代の人
と異なり現代人は高い教養を身につけられますよね？ だから、そういう
雑音に惑わされず、心豊かな人間として活きることが大切だと思います。
by moto (2009-04-03 12:49)
溢れる情報や雑音に振り回さるずに心豊かにはその通りだと思います。
なかなかできない事もあるので心がけたいものです。
by keiko (2009-04-03 18:44)