想定と傲慢 [社会]
月間雑誌「Will」3月号の曽野綾子の記事「小説家の身勝手」を読んで感じた事がある。
記事の内容は、東日本大震災は一般人にとっては想定外だったが、例えば現代の世界での
人口爆発や、日本における高齢化社会は想定内の出来事だ、というようなものであった。
私は、善意の人間だから、曽野綾子が何を言いたいのかを、善意に解釈する用意がある。
従って、記事による彼女の言分を理解し、共感することができる。
しかし彼女のこの記事には、論理的に一貫していないフシがある。それは、「想定内」、
「想定外」という言葉に込められた意味が、客観性を帯びていない事である。
彼女は、「東日本大震災」は、地震や歴史その他の専門家以外には想定外だったという。
それなら、「中絶問題」や「医学の進歩」と「高齢化社会」の因果関係も、一般人には
想定外だったのではないか?と言いたいのである。曽野綾子が、日本が高齢化社会になる
事は想定内だと考えるのは、若くして著名な作家で世界を飛び回わってボランティア活動を
している心の美しい人だから想定できたのではないか?その意味で彼女も立派な専門家だ。
現在の「東日本大震災」やそれに伴う「原発事故」に関する想定内・外の議論は、
毎日、生活に追われ、碌な情報も持ち合わせていない一般人レベルの話ではない。
或いは気付いている人が居れば解決するという様な安易なレベルの話でもないと思う。
そういう意味では、高齢化社会問題もそうである。
問題は、想定されている情報を如何に有効に活用できるかどうかに懸かっている。
例えば、最近の国会で話題になっている「年金試算問題」等も、想定問題に関係する。
最低保障年金が柱の新年金制度に移行すると2075年度に消費税17.1%になるという
試算結果を、野田内閣は封印する事にした。こういう想定問題をウヤムヤにして
増税が一人歩きするという政治姿勢に問題があるのだ。私の直感では、この試算の根拠を
突っ込めば、2075年度の消費税率は17.1%所か更に多くの税率アップにつながると思う。
従来の全ての問題は、「想定外」が問題なのではなく、まともに「想定しない」で、
「皆で渡れば怖くない」式にやってきたところに大きな問題があるのだ。
専門家は、狭い専門分野の仲良しグループの中で、偉そうにいうだけ。グループの殻を
破って議論しようという努力も意欲もないのである。曽野綾子を専門家といったが、
一人で世間に向かい高齢化社会問題の議論を吹きかけている彼女は、日本の学術専門家より
数等立派である。自分のみ正しいとして外に働きかけないことこそ傲慢ではないか。
続き読む
「想定」をウヤムヤにする政治家も、輪が広がらない専門家にも問題はあるが、
何故この様に、様々な取りこぼしがあるのか?それぞれ自分勝手に先を急ぐからでは?
社会がこれだけ発達したら、健全な社会を維持していくために多大な努力が必要なはず。
進歩に付いていけない人も増加しているのではないか?
少子化問題も、そういう観点から見る必要がある?
しかし何事も前向きに取組むことが良い事という振りをする。
消防車の届かない高層ビルも、スプリンクラーで大丈夫?と思った振りをしている。
高齢化社会や、社会保障制度も、おかしいと思いながら、小手先の税制で見て見ぬ振り?
結局、人間というのは、近視眼的動物なのだろう。 如何なものか
記事の内容は、東日本大震災は一般人にとっては想定外だったが、例えば現代の世界での
人口爆発や、日本における高齢化社会は想定内の出来事だ、というようなものであった。
私は、善意の人間だから、曽野綾子が何を言いたいのかを、善意に解釈する用意がある。
従って、記事による彼女の言分を理解し、共感することができる。
しかし彼女のこの記事には、論理的に一貫していないフシがある。それは、「想定内」、
「想定外」という言葉に込められた意味が、客観性を帯びていない事である。
彼女は、「東日本大震災」は、地震や歴史その他の専門家以外には想定外だったという。
それなら、「中絶問題」や「医学の進歩」と「高齢化社会」の因果関係も、一般人には
想定外だったのではないか?と言いたいのである。曽野綾子が、日本が高齢化社会になる
事は想定内だと考えるのは、若くして著名な作家で世界を飛び回わってボランティア活動を
している心の美しい人だから想定できたのではないか?その意味で彼女も立派な専門家だ。
現在の「東日本大震災」やそれに伴う「原発事故」に関する想定内・外の議論は、
毎日、生活に追われ、碌な情報も持ち合わせていない一般人レベルの話ではない。
或いは気付いている人が居れば解決するという様な安易なレベルの話でもないと思う。
そういう意味では、高齢化社会問題もそうである。
問題は、想定されている情報を如何に有効に活用できるかどうかに懸かっている。
例えば、最近の国会で話題になっている「年金試算問題」等も、想定問題に関係する。
最低保障年金が柱の新年金制度に移行すると2075年度に消費税17.1%になるという
試算結果を、野田内閣は封印する事にした。こういう想定問題をウヤムヤにして
増税が一人歩きするという政治姿勢に問題があるのだ。私の直感では、この試算の根拠を
突っ込めば、2075年度の消費税率は17.1%所か更に多くの税率アップにつながると思う。
従来の全ての問題は、「想定外」が問題なのではなく、まともに「想定しない」で、
「皆で渡れば怖くない」式にやってきたところに大きな問題があるのだ。
専門家は、狭い専門分野の仲良しグループの中で、偉そうにいうだけ。グループの殻を
破って議論しようという努力も意欲もないのである。曽野綾子を専門家といったが、
一人で世間に向かい高齢化社会問題の議論を吹きかけている彼女は、日本の学術専門家より
数等立派である。自分のみ正しいとして外に働きかけないことこそ傲慢ではないか。
続き読む
「想定」をウヤムヤにする政治家も、輪が広がらない専門家にも問題はあるが、
何故この様に、様々な取りこぼしがあるのか?それぞれ自分勝手に先を急ぐからでは?
社会がこれだけ発達したら、健全な社会を維持していくために多大な努力が必要なはず。
進歩に付いていけない人も増加しているのではないか?
少子化問題も、そういう観点から見る必要がある?
しかし何事も前向きに取組むことが良い事という振りをする。
消防車の届かない高層ビルも、スプリンクラーで大丈夫?と思った振りをしている。
高齢化社会や、社会保障制度も、おかしいと思いながら、小手先の税制で見て見ぬ振り?
結局、人間というのは、近視眼的動物なのだろう。 如何なものか
コメント 0