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義理と人情 [物語]

今度のNHK・TV小説「てっぱん」を見ていて、“義理と人情”という言葉を思い出した。
今週の「てっぱん」は、あかり(瀧本美織)が尾道での就職に拘り、父・錠(遠藤憲一)や
母・真知子(安田成美)等家族に内緒で、卒業演奏会を欠席して、就職試験を受けにいく。
その後、あかりと演奏会の終わった親友・篠宮加奈(朝倉あき)とが、岸壁で二人きりで話す
場面が重要な意味を持っていると思った。加奈は、演奏会を欠席してまで尾道での就職に拘る
あかりが理解できないと嘆いた。そこであかりは養子であったという衝撃の事実を打ち明ける。
あかりは言う。「本当の子ども、本当の妹の様に育ててくれた。それって凄いことじゃろ。
感謝せんとね!」。この感謝の気持は、義理の仲とか、血縁とかを超えて大切なものでは?

この後、母・真知子は、ベッチャー・初音(富司純子)を大阪に尋ね、そこで、あかりから
掛ってきた電話で、初音があかりに「恩返しせなあかん」と念を押しているのを聴いて、
真知子はあかりのこだわりの原因が、祖母の教えであったことを了解するのである。

ベッチャー祖母の初音は、村上錠・真知子夫婦に、娘が大変なお世話になっている。
あかりの母の母親として、村上夫婦に大きな義理・恩義を感じなければならない立場にある。
まさにベッチャーは、思いがけないかわいい孫と一緒に暮らしたい “人情”と、夫婦への
“恩義”との板ばさみ状況なのである。礼儀知らずのベッチャー祖母でも、義理・恩義を優先
するから、あかりに尾道から一歩もでないで、育てた親、兄弟に“恩返しせなあかん”!と
教え諭すのだ。しかし孫のあかりに自分の失敗の尻拭いをさせるのは筋違い。おかしい!

真知子が素知らぬ振りして大阪から帰った後の誕生日の宴で、あかりが尾道にこだわる理由を
家族に説得している場面が、大変に印象的だった。
長兄:欽也(遠藤要)が、「お前にとってこの家族は、必死でしがみついていないといけん位
そんな危ういもんなんか?」と厳しく問い詰める。そして母・真知子も、「あんたに返して
もらわんといけんような恩は、これっぽっちも売った覚えはないけんね!」と啖呵を切る。
その時、次兄:鉄平(森田直幸)が、「かあちゃん、あかりは恩返しなんちゅう言葉、一言も
口にしとらんよ!」といった時の、真知子の仕草が面白かった。
これだけ本質を突いたストレートな対話が出来るのは素晴らしい。本当の「感謝」は大切だ。
その感謝のこころを支えるものは、磐石の信頼がおける人間関係である。そういう人間関係の
構築は、人々の日々の弛まぬ努力と心がけではなかろうか?如何なものか。
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【みなと】

「てっぱん」も,今後の展開が楽しみになって参りました。
by 【みなと】 (2010-10-11 15:43) 

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