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「ゲゲゲの女房」11週② [物語]

今日は、NHKTV小説「ゲゲゲの女房」第11週“貧乏神をやっつけろ”の最終日だった。
貧乏神をやっつける結末を期待したが、マンガ「悪魔くん」の刊行で盛り上がったのが関の山。
新たな火種が予告された。この「悪魔くん」は、零細出版社社長の戌井(梶原善)から出版する
事になった。戌井(梶原善)は、大ホームランになると長編物語でいくことにする。しかし、
武良布枝原作でも書かれているが、全5巻構想にもかかわらず人気が振るわず3巻で終わった。
戌井(梶原善)のモデルになっている東考社の桜井昌一氏は、水木しげるマンガの代表的な
キャラクターのモデルにもなっている。ゲゲゲの夫婦にとって、苦難の時代を行きぬいた同志
である。桜井氏は、「悪魔くん」のことを、“これはすごい作品ですよ。・・・売れないからと
気に病む事はありません。”と夫妻を励ましたという。ちなみに「悪魔くん」出版は1963年

さて、「悪魔くん」の原稿を出版社に届け、無事原稿料を貰った茂(向井理)は、戦艦「長門」
の模型を購入して帰る。予告では布美枝(松下奈緒)が不平を言う場面がチラリとあった。
武良布枝原作でも模型の話は出てくる。ミルク代にも事欠く時に始めた‘連合艦隊再建構想’は
境港での幼少時代の思い出につながっている。茂が、様々な記憶を呼び戻し、噛みしめる事に
よって自分の運命を受け入れ、切り開いていく様子が伺える。そういう風に捉えれば、結婚は、
茂、布美枝にとって、どれほど大きな転機であったかが伺えるのであった。

武良布枝原作では、最初‘連合艦隊再建構想’に不満だった布枝も、酒もバクチもやらない夫に
これくらいの気晴らしは仕方がないと模型作りを手伝ったという。この模型作りが相当進んだ
所で、今回放送の精巧なプラモデルへの切替りとなったわけだ。この模型作りの事に関して、
“赤貧の中でよくそんなことをしたもんだと言われてしまいそうですが、水木も私も模型作りを
している間だけは、貧しくて厳しい生活のこともお金の算段も忘れて熱中しました。”
“無邪気な顔で一生懸命になっている水木と一緒にいるのも楽しくてたまりませんでした。”
と書いている。貧乏生活の美しさは、夫婦・家族が支えあって生きている美しさである。

現代日本は貧乏を「悪」と決め付けている。不自由、心配、不勉強などが理由である。しかし
本当にそうだろうか?不自由、心配、不勉強は金持にもついてくる。貧乏とか金持とかで善悪を
決め付けることはできない。問題はどう生きるかという「プロセス」である。ウソやお愛想で手に
入れた成功や成長はそのツケがきっとくる。貧乏な中で、「貧乏力」を発揮して生きる方が、金持
として、地位や財産に汲々として生きるより、ずっと素晴らしい生き方だと思う。如何なものか。
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