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飛べる鳥・飛べない鳥 [閑話]

「窮屈な現代への反乱 拝金、格差・・・大事なもの問う」と題した今朝の読売新聞の
文芸月評を読んで何時もの事ながら、オカシイな~!と、感じた。例えば
受賞者最高齢・谷川直子さん(52)の文芸賞受賞作「おしかくさま」の評論だ。筆者
(文化部:待田晋哉・奇しくも「純と愛」の愛の姓と同一)は次ぎの様に書いている。
“人間の偽善や硬直する社会に、柔らかく「反乱」を企てている所が良!”何処が反乱?
と読み続けると、“「金が何より大事」と語る中高年女性信者の新興宗教のたまり場=
おかくしさまに出入する父親(元教師)に、娘(姉妹の姉の方・離婚経てうつ病49才)が
反乱した”。うん?父親は、中高年女性信者を誘惑しようとでもしたのか?と思ったら
あにはからんや、元教師の説教魂を刺激されて忠告しているというのだ。そのことで、
姉娘は、胸の内に抑えていたものが噴き出した。それが「反乱」なの?

“格差社会が進み、ますます金の力が猛威を振るうのに、「金より大事なものがある」と
言った文言が幅を利かせる社会への軽やかな一撃だ。”と筆者はのたまう。何かおかしい。
「金より大事なものがある」という文言の幅が利かないから金の力が猛威を振るうのでは?
「おしかくさま」物語のうつ病49才姉娘は、自分の不幸を父親のせいにしている?

人間の言語というものは、便利なもので「白を黒」と言いくるめられるという。
(私にはそんな芸当はできないが)
2012.10.27の私のブログ“「純と愛」第24回感想・生きる意味”でも書いたが、
この姉娘も「生きる意味」を見失っていたのではなかろうか?そして、書評の筆者も?
なぜならこの本の書評の最後に“金銭、家庭、年齢に応じた落着き。窮屈な生き方を
強いる世の建前に投げつけた本気のナックルボール”と書いているからだ。
日本では現代ほど自由気儘な時代はなかった。その現代日本において
「窮屈な生き方を強いる世の建前」とは何か?タカが親父の説教ではないか?

私は、鳥の本性を「飛翔」とすれば、対応する人間の本性は「理性=言語」だと思う。
上述した様に、本書評には、様々な現状認識に問題があり、オープン社会志向の様に
見えて、この様な言語の使い方は、実は閉鎖社会志向ではないか?こういう考え方が
蔓延すれば、狭い領域に閉じ込められていると勝手に思い込んでいる人間が増殖し、
何の意味もない「反乱」で社会はまたまた混乱するだろう。鳥の飛行能力の消滅は
隔絶された島嶼の鳥類にしばしば起きるという。そうだとすればこんな事の繰返しで
飛べない鳥になる様に人間の理性は、徐々に衰えてしまうのではないか?如何なものか
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