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子ども環境と子ども天国・地獄 [閑話]

昨日のブログで、「国際子ども図書館」の事を書いたが、その後で、子どもを取巻く
環境の変化という事について、少し情報を集めてみた。そこで気付いた事は、
子どもという概念が、長い歴史の中で普遍的になっている証拠はなにもないという事。
近年では、「子ども」という区別が、好むと好まざるとにかかわらず、市場経済原理や
テレビなどの情報伝達技術の変化に伴って無くなって行く傾向にあるという。
元々、「子ども」という概念は、保護すべき対象として設定されたが、それは近代に
なってからであると、フランスの歴史家フィリップ・アリエスが、結論付けた。
これはアリエスが、中世の子どもの生活を丹念に調査して得たものであるという。

この事実からたまたま先日、マウリッツハイス美術館展に行って見た一幅の絵すなわち
ヤン・ステーン作「親に倣って子も歌う」を思い出した。
(「親に倣って子も歌う」の部分をクリックすると絵画を見ることができます)
絵画は、1668-1670年頃、当時のオランダで制作された風俗画(風刺画)である。
絵の題名を日本的に直訳すれば、「この親にしてこの子あり」となる。
子どもに煙草を吸わせている父親らしき人物は、作者自身の自画像らしい。この人物の
悪意のない満面の笑みからも、絵が表現したい事は、相当に深いのではなかろうか?

この絵画から直感的に感じた事は、最近私が課題としている「交感神経と副交感神経」の
バランスをとるための副交感神経の働きを強調しているのではないか?という事だった。
笑い、歌、飲酒、家族団欒、少し艶っぽい女性の仕草、鳥の巣箱の隠喩であるセックス等
絵画に描き込んでいるものは、副交感神経の働きを高めるものばかりである。
(煙草も少量だと副交感神経の働きを高める効果があるという説もある)

この絵画から見ても、中世における「子ども」の概念が、近代から見てかなり希薄で
あり、少なくとも、近代の概念と異なることは明らかだと思う。そこで私は大胆に
当時のオランダと現代の日本或いは先進国は、ある意味で共通する所があるのでは?
という仮説を立てた。当時のオランダは、世界貿易で発展していた。社会の変遷も
急激ではなかったか?そういう点で、現代と共通しているのではないかと思った。
ヤン・ステーンが、茶化しながらも描いた風刺画には当時の社会の深い悩みがあった?
現代も、様々なストレスに苛まれ、かつ様々な知識教養によって縛られ、副交感神経
によるリラクゼーションが効かなくて、昔日のオランダよりも更に厳しいのでは?
子ども中心過ぎて親が健康を害したら本末転倒?子ども中心も程々に!如何なものか
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