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梅ちゃん先生 第7週-4 [物語]

今日の「梅ちゃん先生」は、5つの部分から構成されている。1)沢田弥生(徳永えり)が、
ジュリエット役に立候補する話。2)梅子(堀北真希)の父・建造(高橋克実)が、ヤミ商品を
拒む話。3)梅子と松岡(高橋光臣)が「ロメオとジュリエット」の脚本編集で協力する話。
4)松子(ミムラ)と真田(平岳大)が書類整理しながら転勤の話を追想する話。
5)梅子の幼馴染の信郎(松坂桃李)が、「さるかに合戦」を読んでいる話。
1)と3)は「ロメオとジュリエット」の芝居でつながっているとはいえ、伝えたい事は異なる。
私は、これら5つの話を、“新しい生き方”という観点で繋がっていると推定した。

弥生がジュリエット役に立候補したのは最も分かりやすい。憧れの伊東(庄野崎謙)の相手役
として一緒の舞台に立つ事が、恋愛恐怖症から逃れるための大胆な対策だったのだろう。
伊東は演劇の質を高める為に更に門戸を広げ様としたが、弥生は二人だけの対決を要求。
江美(白鳥久美子)が立候補しようとしたのはご愛嬌か?ともあれ弥生の新しい生き方が
競争相手の須藤雪子(黒川智花)、そして伊東にも良い影響を及ぼすのではないか?

建造がヤミ商品を拒むというのも、安易に時代の趨勢に流されている自分を省みて、何か
新しい生き方を模索しようとしていると解釈できる。建造がヤミ商品を拒む動機となった
事件は、悪法と知りながら昭和22年10月に、ソクラテスのひそみに倣って潔く法の下に
餓死した山口良忠判事の新聞記事(11/4)である。〔私は、大人たちが、その新聞記事を
話題にしていた光景をよく覚えている。玄関先で帰る訪問客の応対に出た母と一緒にいて
その話を聴いた。後世と違い山口判事に対して一般的に同情的で、深刻に受止めていた?
あの時代は本当に大変だった?人間は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」それが生きる知恵?〕

梅子と松岡が協力し合って脚本を編集している光景も、若い二人の新しい生き方を予感する
心温まるものがあった。梅子の「医者たるもの人の気持が判らなくてどうする?」という
批判に対して松岡は納得すると共に、梅子との時間が意外に楽しかったと言っていた。
梅子もまた松岡と共有した時間が意外と楽しかった。それは二人の心が通じ合うからだ。
心が通じ合うのは同じ考えだからではない。触れ合った異質な精神が、相互の中に新しい
何かを創り出す(創発する)原動力になるからである。創発は相互の精神を豊かにする。
松子・真田、及び幼馴染の信郎は、以上の話とつながるとすれば、新局面が開かれる?
もう1つ、建造の実弟・立花陽造(鶴見辰吾)と梅子の兄・竹夫(小出恵介)にも
新しい局面が開けそうだ。それにしても、この物語は、主要登場人物に謎が多そうだ。
今後も、意外な展開があるのではなかろうか? 如何なものか

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