SSブログ

現実認識の罠 [閑話]

月刊雑誌「Will」5月号の仲村覚「中国が用意している『沖縄占領憲法』」を読んで、
面白い事に気付いた。記事では、沖縄独立運動集団が、全く別の目的の5万人集会に
紛れ込んで写真を撮り、如何にも5万人全員が沖縄独立運動をしている様に見せかけた
写真を捏造したという。こんな捏造写真記事で、沖縄独立運動が大規模に行われていると
日本で宣伝しても、すぐに化けの皮が剥れるだろう。しかし中国でまことしやかに流され
沖縄で人権侵害をしていると宣伝したら、中国人には信じる人も多いのではなかろうか?
そこで5万人集会に、1/10or1/100の人が紛れ込んで撮った捏造写真を、中国に捏造と
完璧に証明しようとした場合、その様な具体的証拠は見つかるのだろうか?恐らくは
犯罪捜査の用語である「状況証拠」しか見つからず、完璧な反論はできないであろう。

月刊雑誌「Will」5月号の「総力大特集 南京大虐殺は捏造だ!」等の問題も、所詮は
沖縄独立運動問題と同様で、精々状況証拠を固めるしかないだろう。
こういう問題は、まだ現場が保存されている現地で首謀者の自白、多人数の目撃者証言が
ない限り、所詮、状況証拠しかなく、時間の経過と共に、曖昧になってしまう。
沖縄独立運動問題と南京大虐殺問題とは時間の隔たりがあり、南京大虐殺問題では、
状況証拠も曖昧な為に、日本人としての現実認識が曖昧になっている。

或る時(1980年前後?)当時学生だった女性から、当時話題になっていた「南京大虐殺」で
随分長々と、ご高説を賜った。私は、たしなめる様な調子で、そんな大きな虐殺はなかった
のでは?と、やんわり反論したが、現地の記念館などを見て帰ってきた勢いだから、聴く耳
無し!という感じで終わった。つい最近(1年前?)彼女も50歳のおばさんになっていたが
当時の私に対する「非礼」を詫びてくれた。彼女曰く、あれは「捏造だった」と。

彼女が、何を根拠に「南京大虐殺」を信じ、そしてまた何を根拠に「捏造」と感じたのか?
私には良く分からなかったが、私の意見に同意してくれたのだから、感謝している。
いずれにしても、我々が情報に接した時に、その情報をどう捉えるか?は、現実認識の為
重要である。時々の情報に関して、状況証拠を集め、いちいちそれを検証する暇はない。
ある程度「心眼」で、重要性を仕分けし、ピックアップされた重要事項をうまくつなぐ。
創意工夫して、その矛盾点を把握活用しながら、般若心経の「色即是空」、「空即是色」
という考え方を念頭に、白黒を決め付けないで現実を把握するのである。情報収集から
重要事項仕分け、そして矛盾点の把握などには情報技術が役に立つ。そしてその矛盾点を
更に追及するために関連情報を検索する時にも威力を発揮するだろう。如何なものか
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。