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続・西洋的認識の問題 [閑話]

私は2012-03-15のブログ「西洋的認識の問題」で、中国の第11期全人代第5回会議後の
温家宝の会見談話を取上げて、彼の発言で事が終結する程、問題は単純でないと書いた。
その意味は、当該ブログを読んで頂けば分かる事だが、私の関心は中国共産党内派閥闘争
問題という所にはない。温家宝が、文革(文化大革命)を持ち出した意図に関心がある。
その意図を関連事件等によって検討した上で、問題を党内派閥闘争にする事がピント外れ
である事を出来るだけ明らかにし、その真の対策としての「生きる事の意味」を述べる。

温家宝が談話に「文革」を持出したのは、四川省成都の米総領事館駆込み事件(2/6)の
問題解決に道筋を付けるためだったと思われる。何故なら談話は、米総領事館駆込み事件
の上司の薄熙来が責任を問われ、解任された前日の2012年3月14日だったからである。
それが「文革」とどう関連するのか?素人の私等には複雑過ぎて理解が困難であるが、
米総領事館駆込み事件を起こした張本人・重慶市の王立軍副市長の上司・薄熙来らが、
政治体制改革に慎重な保守派(文革で言えば毛沢東派)という事らしい。薄熙来の解任は、
第二の文革を未然に防止する狙いであると保守派に解釈させ、彼らの自重を求めると共に、
江沢民に近い次期主席の習近平にも一本釘を刺したというのが、背景になったのでは?

しかし私の予想した如く薄熙来の解任でメデタシ、メデタシとは行かない雲行きである。
今朝の朝日新聞によると、「重慶市・薄書記解任で動揺 中国、党への忠誠強化」と題し
中国共産党が、指導部への忠誠を求める6項目の内部通知を出した事が、昨日(22日)に
判明したと報じられた。此処では余り詳しくは書けないが、今回の事件は、複雑な様相を
呈している。マフィア撲滅運動を推進していた薄書記の妻とマフィアとの関係を盾に、
マフィアから公安関係者が脅され、当時、公安局長(兼務)だった王立軍が、薄書記に
直接相談した事から問題がコジれて、米総領事館駆込み事件が起きたという。
また、マフィア撲滅運動などは政治体制改革に含まれる運動である。

以上の様な内容から、政治体制改革派と改革に慎重な保守派との権力闘争という単純な
「文革」的構図として整理しきれない事は明らかだ。それにも関わらず、第二文革の
未然防止とするのは、米総領事館駆込み事件による党内の動揺を抑える狙いがあった?
問題は派閥闘争等よりも複雑であり、問題にピントを合わせられる状況ではないようだ。
しかし、それは近視眼的に、現状ばかりに気をとられているからである。
中国をはじめインドや中近東諸国等、人類最古の伝統をもつ国々が本格的に台頭する時
経済・精神の両面から見て、現状のグローバルスタンダードで地球が耐えられるのか?



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