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政治と幸せ [閑話]

私は、震災復興や社会福祉と、増税等の問題における国会の議論や、橋下市長の道州制・
国と地方との税金の分捕り合戦の議論を、どこか可笑しい、間違っていると感じていた。
そこで、何が問題なのかを、数ヶ月前に来日して持て囃されたブータン王国の国民総幸福量
(GNH)という話題を、もう一度見直して、そこから議論を進めたいと思う。

国民総幸福量とは、「幸せの国」を実現するための指標であるという。(出典:御手洗瑞子著
「お金は「幸せの国」の大切な一要素」)。「幸せの国」とは、「国としての自立」と、
「伝統文化伝承」とを両立しながら、国民のワークライフバランスを保つ事であるらしい。
日本の政治指標GDPは、GNHに対して「伝統文化伝承」と「ワークライフバランス」と
いう項目を欠如している事は明らかである。
現代における日本の政治闘争が、「国としての自立」、言わば経済競争しか念頭にない事は
この様に、GDPとGNHを比較しただけで明らかである。それでは、現代の日本の政治家が
GNHが尊重する指標を無視し、GDPだけで、即ち、経済力だけで解決しようとしている
「伝統文化伝承」、「ワークライフバランス維持」とは如何なる内容なのか?

「伝統文化伝承」とは、形ある文化遺産の継承という事もあるが、大切な事は、形にならない
技術や考え方など、心の領域の伝承の問題も、多く含まれる。
「ワークライフバランス」とは、生活に欠かせない家事・育児、近隣との付き合いなどと、
仕事とのバランスの事である。子育てや老親の介護、仕事のストレス等による健康不安など
ワークライフバランスには様々な障害がある。
此処では議論を尽くせないが、経済力だけで伝統文化やワーク・ライフ問題を解決しようと
いうのは、明らかに間違っている。経済力だけを尊重する人間では、人の心の痛みも分らず
“幸せ”とは何か?明確な答を持った幸せな人間関係を結ぶ事も出来ないだろう。心の通った
伝統文化もワークライフバランスも益々失われ、その穴埋めに益々無駄な税金が浪費される
だろう。一部の金持の偽装幸福生活者と砂を噛む様な不幸な人間を生み出す社会になるだけ。

経済力が、国民や企業を活気付け、経済活動、安全保障、伝統文化、スポーツ・芸術の維持
発展の原動力である事は確かである。しかし人間にとって健康を維持する食生活をするには
原材料の選択や調理方法・技術が必要な様に、「経済」を人間らしい幸福な生活に活用する
には様々な技術ノウハウが必要だ。従来の利益優先、効率優先の流通だけでは、いくら分配
経路を変更しても、人間の幸福と程遠い社会にならざるを得ない? 分配の政策、制度設計
だけではなく、幸福配慮の経済流通ノウハウを開発・実践すべきではないか?如何なものか
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