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「おひさま」126・127回の意図? [物語]

NHKTV小説「おひさま」の川原(金子ノブアキ)は、ヒロイン・陽子の兄・春樹(田中圭)の
友人として、またヒロインの初恋の人として初期に登場したが、126,127回に意外な姿で
再登場した。彼は、怒っていた。126回は、酔っ払っていたので、唯の酔態とも受け取れた。
しかし127回は、酔いも醒めていたのもかかわらず、憤りをあらわにしていた。

126・127回の意図を探るために、川原のことを初期の登場に遡って考察してみたいと思う。
川原と陽子(井上真央)の出会いは、兄・春樹(田中圭)の友人として安曇野の須藤家に
遊びに来た昭和13年、陽子がまだ女学生(16歳)の頃だった。陽子の一目ぼれ。
その後、陽子が育子(満島ひかり)や真知子(マイコ)と、松本高等学校に遊びに行き、
交流が深まった?といっても、陽子の初恋は、片思いだった。陽子の初恋は、
昭和14年正月、川原が、野中タエ(中村ゆり)を連れてきて、目の前で求婚する事で、
木っ端微塵に砕け散った。川原とタエは、その後、間もなく満州に行ってしまった。

126回は、尾羽打ち枯らして満州から帰国した川原と陽子の再会話だった。夢破れた川原は
丸庵で幸せそうにしている周りの人間に腹を立て、酔っ払って怒鳴り散らす醜態を曝した。
思いがけなく陽子に再会し逃げようとして転倒。気を失う。
127回は、安曇野に行った川原を追いかけて、陽子が慰めようとした場面だ。川原は言う。
「タエは死んだよ。酷い死に方だった。俺に騙されたようなもんだ。何が新天地だ!何が
日本の未来だ!地獄に連れて行ったようなもの!俺がタエにした事は不幸にした事だけ!」
 陽子が“タエさんは幸せだったと思う”という慰めに対して、「ふざけるな!もう良い。
止めてくれ。・・中略・・君の言っている事は奇麗事だよ。死んだ人間が生きている人間の幸せを
願っているなんて。この国の連中は忘れすぎだ。反吐が出るよ!何が新しい時代だ。
俺は嫌だねそんなの!たとえ日本中が忘れて幸せになっても、この気持のまま生き続けて、
この気持のまま死んでいく。そんな人間が居ても良いだろう。」

川原はタエとの結婚を反対された自分の家族に不満で、暖かさを感じていた春樹の家族に
結婚と満州への門出を祝福してもらう。それまで春樹にタエとの仲を内緒にしていたために
陽子の初恋事故も発生した。今思うと川原は、医者になることを期待されていたのに、
高等学校を中退し、タエを連れて初めて満州に渡る、思い込みの激しい自分勝手な人間?
そんな川原だから失恋の煮え湯を飲まされた?にも関わらず陽子は、零落した川原を和成
(高良健吾)の優しい言葉に促されて、安曇野に川原を追った。
「おひさま」の意図は、陽子や和成の優しさと、川原の厳しさとの対比をしたかったのか?
それとも川原の憤りを現代に甦らせ、現代人に何かを感じさせたかったのか?



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