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「てっぱん」20週・居場所 [物語]

今週のメイン・キャストは、田中荘の住人通称画家の笹井拓朗(神戸浩)だった。
初音(富司純子)が親戚の葬儀に金沢に行った留守に田中荘も空巣に入られて、笹井の大事な
ペンダントの絵が盗まれる。お父さんが息子・拓朗を描いた絵である。お父さんのことを良く
知らない笹井は、「どんなお父さんが描いてくれたのか?」と想像しながら、
「預けられた所で、ズッとズッと待っていました。」と語っていた。

落ち込む笹井拓朗に責任を感じ、泣いて謝るあかり(瀧本美織)に、笹井は悲しみをこらえて
「悪いのは泥棒です。」という。どんなに悲しく落ち込んだ時でも、思いやりに感謝する心を
忘れない笹井拓朗と心優しいあかり。なんという素晴らしい光景か!と陰ながら感動した。

空巣に入られた日は、不用心だからと、親友・篠宮加奈(朝倉あき)があかりの部屋に泊まり、
何故か、浜野一も笹井の部屋に泊まった。その時の一こまが印象に残っている。
それは加奈が下宿の廊下で滝沢に、「親からもらった大切なもんて何?」と質問したやりとりだ。
滝沢が「別に何もあらへんなぁ~」との返答に、「マラソンに挑戦できるような立派な身体を
もろたんと違うん?」という、鋭い突っ込みを入れたのだ。滝沢は、改めて洗面所の鏡に映る
自分を見つめて考える風だった。感謝の材料は、いくらでも転がっている?

空巣と間違えられた欽兄(遠藤要)は、母・真知子(安田成美)から言付かった「腹帯(別名:岩田
帯)」をのぞみ(京野ことみ)に持参した。会ったこともないのに!とのぞみは驚いていた。真知子
は、あかりの育ての親である。あかりがのぞみにどんな思いを抱いているか?よくわかっている
のだ。「腹帯(別名:岩田帯)」は、あかりつながりでの応援団のしるしなのである。
昔は、そうやって苦労を承知で人とのつながりをつくったのである。先日、「無縁社会」という番組
があったが、無縁になる一番の理由は、人間関係を鬱陶しいと思って嫌うところにある。鬱陶しい
人間関係を嫌って自分の居心地の良い場所(番組での若者はそれを「自分の居場所」という言葉
で飾っていた)を求めれば、結局、無縁社会の住人になるのである。無縁社会でなく、有縁社会で
自分の居場所を見つけたいのなら、力で勝ち取るか?真知子やあかりのように人を勇気付ける
「心優しい人」になるか?或いは、面倒な人間関係の「苦労を愉しむ」心構えが必要である。
人間関係に囚われない事を、「自由」と履違えているのではなかろうか?

笹井の父親の遺品を空巣に盗まれた話と腹帯以外に、「てっぱん」20週は、父親に関する別の
物語もあったのであるが、紙幅の都合からこれで筆をおく。機会があればまた別途書きたい。
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