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TV小説「てっぱん」5週 [物語]

第5週のお題は、「お母ちゃんの味」。このおかあちゃんの味はチト複雑な味である。
注意深く味合わないと、ちっとも面白味がなくなる。なかなか小難しい物語だ。
別の言い方をするならば、こなれていない。まだ、機が熟していないとも言えるかも?
しかし、荒削りではあるが、その表現手法は何か素晴らしいものを秘めているような。

作者の今井雅子はどういう人か、初めて興味を持った。ネットで調べたら、今年40歳
出身・大阪府堺市、京都大学教育学部卒業。何とNHKTV小説「つばさ」に関わっていた。
「つばさ」は、NHKTV小説中の歴代最下位視聴率だったという。余りに斬新過ぎて我々の
様な年代にはそぐわなかったのだろう。何だ!新人類の脚本か?であるならば、今後
余り期待できないのではないか?そんな不安がよぎった。

まあそういう事で見当違いかも知れないが、それを承知の上でチト複雑なお母ちゃんの
味について、考察してみたい。今週のお母ちゃんの味は、四種類の味が隠されているのだ。
最初は、あかり(瀧本美織)の育ての母・真知子(安田成美)のダシ巻卵の味。
第二は、かつお節会社社長・浜野(趙珉和)と、事務員・小夜子(川中美幸)との
世間的には見えない、かりそめの母子関係における共通体験の味わい。
第三は、ベッチャー・初音(富司純子)と娘・千春との葛藤が、少し姿を表わす。
それは、小夜子に向かって「何で?音楽かぶれの放蕩息子、背負い込む事なかったやろ」
「あんたにとって(浜野は)もう社長やない。いうたら、あんた等は母子や」
「社長の事となったらむきになってしもうてる。ダメなお母ちゃんの典型や」と言いながら
自分が、娘・千春について、ダメなおかあちゃんであった事に向き合うのである。
千春にとって、“お母ちゃんの味”は、どんなだったろうか?考えさせられる。
そして、あかりと千春の母子関係が、第四の隠し味となっているのである。

その序曲は、尾道の兄・欽也(遠藤要)が突然、訪ねてきて、初音があかりの祖母である事を
下宿の人たちや近所の伝さん(竜雷太)に知られてしまったところから始まるのだ。
ドタバタ騒ぎの最中に、民男(前田航基)が質問したあかりの父親のことを初音に訪ねる。
自分の生れてきた意味は何か?聞きたいという。それに答えた初音の言葉が素晴らしい?
「自分の生れた意味なんちゅうもんは人に聞くもんやない。自分で探すもんやないか?」
「お母ちゃんの味」も同じ事。あかりは千春の味を探すしかないのでは?如何なものか。
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