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TV小説「てっぱん」1週 [物語]

今週もはや土曜日。結局また惰性で「てっぱん」を見るようになった。ナレータの中村玉緒が初回
に「がんぼたれ(広島弁でよく喧嘩をする子供、腕白坊主)が、まん丸なお好み焼きを焼くまでの
長い物語」と言っていた。このドラマは明らかに“成長物語”だ。村上あかり役を演じる瀧本美織
は弱冠18歳。朝ドラ初の十代ヒロインとの事である。瀧本美織の経歴を見ると、ほとんどドラマや
映画・演劇の経験もない様だし、随分思い切った抜擢だ。NHK-TV小説の出演者・スタッフは
いつも、素晴らしい友愛に包まれて製作する様だから“がんぼたれ”の勢い、あの海に飛び込んだ
勢いで、半年間を突っ走れば良いのだろう。だが芸能界一般はその様な甘いものではなかろう。
最初が最高のスタートだけに、「てっぱん」後の彼女の挫折が心配?

それに付けても、「ゲゲゲの女房」のヒロイン・松下奈緒は、役者の若さが気になる40~50歳代の
後半生を見事に演じきった。なんというか、昭和7年(1932)生れの思慮深い熟年女性を演じる
風格が出てきていた。その風格の原因は松下奈緒が現代女性でありながら、うわべに流されない
しっかりしたものを持って、人生に取組んでいるからだろう。瀧本美織も芯はしっかりしたものを
持っているに違いない。長い人生を視野に入れて、このドラマを肥しにしてもらいたい。

さてドラマの成り行きだが、亡母の形見のトランペットが家にあると落着かない村上あかりは、
ベッチャー・田中初音(富司純子)にトランペットを返すべく大阪に赴く。そこで初音が娘・千春
(木南晴夏)のトランペット演奏を聴いた事もないと聞き憤慨する。しかし敵・ベッチャーもさる者。
「そない言うんやったら、そのラッパを吹いて聴かせてんか。」あかり:「このトランペットは
吹けません。吹いたら尾道の家族を裏切る事に・・・」。ベッチャー:「あんたは千春の子や、
死んだ母親の代わりに、このラッパ吹いて、うちを思い知らせてみい!」とやり返す。あかり:
「母親は尾道にいるお母さんだけ!」 “がんぼたれ”とベッチャーの戦いは熾烈極まりない。

結局、近所のライブ会場で、あかりは千春の形見のトランペットを吹き、ベッチャーは買物のふりを
して聴く。別れ際“がんぼ”あかりがトランペットを祖母に返し、捨てないことを約束させて
「勝った!」と小声で言った。ベッチャー初音はこの程度のジャブではビクともしない。
ベッチャー初音もご馳走した昼食のことをあかりに聴く。そして「美味しかった!お腹いっぱい!」
の答えを聞いて、「なあ↗分かったやろ!音楽なんかやっても腹は膨れん。わしの勝ちや!」
此処まで小気味良くものが言えたらいろんな問題も天日干で、少しずつほぐれていくのだろう。
このドラマはがんぼたれとベッチャーの戦いの物語なのかもしれない?そしてまたうわべだけの
人間関係で問題から目を背ける現代の人々に対する一種の警告・警鐘かも? 如何なものか。
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