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国土領有問題 [社会]

尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船事件で那覇地検は公務執行妨害で逮捕
した船長を処分保留のまま釈放。政府は序列第3位・温家宝程度の人物の恫喝に負けた。
領土侵略問題では、既に「竹島」は、韓国領土になったような雰囲気にある。また「対馬」も
土地の買占めや、観光客の横暴で、韓国に乗っ取られるのではないか?と、心配されている。
一体、国土とは何なのか?領土とは何なのだろか?
歴史的に言えば、沖縄は中国に近く、対馬は朝鮮に近いために、それぞれに朝貢外交を行って
いた。中国の古い歴史書によれば日本も中国に朝貢外交をしていた時期もある。しかしだから
日本も中国の領土だという事にならないのと同様、対馬や沖縄にも当てはまらないのは当然。

結局、国家の国土領有権は、国家が主張し、国際的に認められる事が第一であるが、国際的に
認められていても国家間の力関係で領有権が移転する場合もある。ただし、国際的な圧力で
国家間の紛争に干渉して、訂正させる場合もある。日清戦争後の三国干渉はその好例だ。
竹島や、尖閣諸島、対馬などの場合には、国際的には、日本の領土と認められているのだから
本来なら、日本の政府が、キッチリと主張すべきなのである。何故、政府が弱腰になるのか?
それは、日本人全体の問題でもあるのだが、国土領有問題という筋論と、経済的な問題等とを
一緒くたにして考えてしまうという、所謂、「味噌も糞も一緒にしてしまう」性癖による。

マイケル・サンデル(Justice: What's the Right Thing to Do?(和訳本:『これからの
「正義」の話をしよう:いまを生き延びるための哲学』の著者)は、現実の政治において、
「正義」と市場主義の両者を踏まえて議論するには、それなりの方法論があると言っている。
哲学的な思考、欧米の真髄は、現実的理念と、普遍的理念との整合性に関する考え方等に
関して、さまざまな示唆を与えてくれ、人生を豊かに展望できるようにしてくれている。
現実的理念の対立を議論して、最終的には、それぞれの立場の人々が、それなりに納得できる
結論に統合していくサンデルの「正義」の話は、政教分離という建前を高い次元で乗越える。
現実の行動理念を煮詰めた主観的正義の理念の対立を、如何に整合させるかの議論だ。

侵略を受けた国土領有問題で譲歩する事は、一部の領民や漁民の被害に止まらないだろう。
一方、突っ張った時に、どの様な被害を蒙るのか?譲歩か?対抗か?の選択によって被害者も
被害額も異なってくる。どちらの方策を取るかを決断する場合に、現実的理念の対立を如何に
整合させるかの議論が必要になる。民主党に「正義」の議論ありやなしや?如何なものか。
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