みんなの党とは何者? [社会]
現代日本を一度少し突き放して見るために、人間の条件ともいうべき「言語」を取り上げて、その
“発生”や“発達”と共に、それに伴う“疎外”という視点を借りてみた。そこから見えてきた事は、
「民主党政権」は、「自民党政権」からの発展形態ではなく、自民党政権以下の“幼稚政権”だと
いう事である。政策レベルは「個性化」どころか、「社会化」、「共同化」の思想も十分検討されて
いない、お粗末な思いつきに過ぎない。自立なき労使馴れ合いの日本的労働組合体質への
「退行」現象である事は明らかである。国民の多くは、自民党に戻るのも「退行」現象と考えて
いる様だ。私は必ずしもそうは考えていないが、皆さんの考え方を優先したいと思う。そこで、
今回の参議院選挙で大躍進した「みんなの党」は、今後の希望足りえるのか?検討した。
党首の渡辺喜美は、自民党がまだ政権の座にあった2009.1月に、奥方にも相談せずたった
一人で飛び出したという。自民党内でも一匹狼的存在だったから「個性化」志向である事は間違い
ない。彼の著書「“みんな”の力」には、様々な異なる党派による第三極、“アジェンダ屋台村”を
形成したいと書いている。“アジェンダ”を掲げた政治を、自民党、その他の政党や、
“嘘つきマニフェスト”政治と区別した責任政治を確立したいという意欲が読み取れる。
この辺り、従来の政治から進化しているという匂いがしなくもない。
著書「民主党政治の正体」、「“みんな”の力」で力を入れているもう1つのポイントに、“1940年体制
からの脱却”がある。分かりにくい議論であるが、“ジャパンアズNo.1”で賞賛された1980年前後の
日本経済成功の根元に“1940年体制”があり、それが制度疲労しているのに成功体験に噛り
付いている、というのだ。“1940年体制”は、戦争中に総力を結集するために考え出された
貧しい庶民には優しい政策であり、それは戦後の農地改革や、護送船団方式を生み出した。
これは「社会化」、「共同化」の言語の発達であったが、現代にはそぐわないというわけである。
紙幅の関係で今日のまとめに入りたい。著書の「民主党政治の正体」p28に婉曲的にではあるが
小泉構造改革をそれなりに認めて、それを乗り越えた真の改革を構築すべきだと述べている。
控えめな表現だが、この事に触れていることを評価したい。民主党の「退行」路線と一線を画し
ている事は明らかである。そういう意味で期待をしたいところである。しかし渡辺喜美が立向おう
としている改革は単なる経済政策に止まらない。人間の「自立」等にかかわる部分まで踏み込ま
ないと実践が困難である。その覚悟の程は分かったが「自立」にも様々なレベルがあり、「尊厳」
などの心の領域をも含む問題の解決には、時間が掛るだろう。優先順位や如何に?(続く)
“発生”や“発達”と共に、それに伴う“疎外”という視点を借りてみた。そこから見えてきた事は、
「民主党政権」は、「自民党政権」からの発展形態ではなく、自民党政権以下の“幼稚政権”だと
いう事である。政策レベルは「個性化」どころか、「社会化」、「共同化」の思想も十分検討されて
いない、お粗末な思いつきに過ぎない。自立なき労使馴れ合いの日本的労働組合体質への
「退行」現象である事は明らかである。国民の多くは、自民党に戻るのも「退行」現象と考えて
いる様だ。私は必ずしもそうは考えていないが、皆さんの考え方を優先したいと思う。そこで、
今回の参議院選挙で大躍進した「みんなの党」は、今後の希望足りえるのか?検討した。
党首の渡辺喜美は、自民党がまだ政権の座にあった2009.1月に、奥方にも相談せずたった
一人で飛び出したという。自民党内でも一匹狼的存在だったから「個性化」志向である事は間違い
ない。彼の著書「“みんな”の力」には、様々な異なる党派による第三極、“アジェンダ屋台村”を
形成したいと書いている。“アジェンダ”を掲げた政治を、自民党、その他の政党や、
“嘘つきマニフェスト”政治と区別した責任政治を確立したいという意欲が読み取れる。
この辺り、従来の政治から進化しているという匂いがしなくもない。
著書「民主党政治の正体」、「“みんな”の力」で力を入れているもう1つのポイントに、“1940年体制
からの脱却”がある。分かりにくい議論であるが、“ジャパンアズNo.1”で賞賛された1980年前後の
日本経済成功の根元に“1940年体制”があり、それが制度疲労しているのに成功体験に噛り
付いている、というのだ。“1940年体制”は、戦争中に総力を結集するために考え出された
貧しい庶民には優しい政策であり、それは戦後の農地改革や、護送船団方式を生み出した。
これは「社会化」、「共同化」の言語の発達であったが、現代にはそぐわないというわけである。
紙幅の関係で今日のまとめに入りたい。著書の「民主党政治の正体」p28に婉曲的にではあるが
小泉構造改革をそれなりに認めて、それを乗り越えた真の改革を構築すべきだと述べている。
控えめな表現だが、この事に触れていることを評価したい。民主党の「退行」路線と一線を画し
ている事は明らかである。そういう意味で期待をしたいところである。しかし渡辺喜美が立向おう
としている改革は単なる経済政策に止まらない。人間の「自立」等にかかわる部分まで踏み込ま
ないと実践が困難である。その覚悟の程は分かったが「自立」にも様々なレベルがあり、「尊厳」
などの心の領域をも含む問題の解決には、時間が掛るだろう。優先順位や如何に?(続く)