SSブログ

日米同盟と普天間 [社会]

昨日、普天間問題で対立する意見の根拠を、1)アメリカに対する評価、2)民主党に対する評価と
整理したが、それは別の言い方をすれば、日米同盟の有効性と、日本の取組み姿勢の問題とも
整理できる。そういう観点から、田中均、ジョセフ・ナイなど4名の対談記事“普天間秒読み日米
安保大論争”(「文芸春秋」5月号の記事)を、私の視点から読み解いてみたい。

この記事から読取れる事は、過去冷戦時代の‘日米同盟’の実績は発言者に共通して一定の
評価があるが、冷戦終結後の対応に関しては意見が分かれる。その原因は、冷戦終結後の世界
の安定性どう見るか?1991年の湾岸戦争や1994年の朝鮮半島・核危機の問題を米国の陰謀と
見るのか?2001年の同時多発テロ以降の対テロ政策をどう考えるか?によるものだと思う。
後になって結果論で批判する事は結構だが、それは、結果を現実としてしっかり受け止めた上で
その批判を今後に生かすべきである。現実にやってきた事を他人のセイにして木に竹を接ぐ様な
政策は、米国側の発言としても、自己中心的リベラリスト発言ではなかろうか?こういう人物が
民主党に知恵を付けて、それを受け入れているとすれば日本にとって由々しき大事だと思う。

その端的な現われが、「核密約」問題に対する民主党の取扱に対する意見の相違である。
ジョセフ・ナイが、“すでに米国では公表済みの「過去の話」で現在の日米同盟関係を左右するもので
はない”と発言しているのに対し、ジョン・ダワーは、“米国が、自民党の強化を目論んでいた結果の
不透明性”と言う次第である。ジョン・ダワーの発言は、現与党を喜ばせるに十分であろう。
しかし多少共常識のある人間ならば、50年以上前に仮に米国が何らかを目論んでいたとして、
それに引きずられっぱなしと言う程、日本が単細胞とは考えないだろう。

この記事を読んで日米同盟関係、および沖縄基地環境を改善していくために現政権(過去の政権
も含め)で欠けているものに気付かされた。それは政治レベルでの共通思想、ビジョンの欠落だ。
その原因は政治レベルでの国際認識の共有化の欠如である。現鳩山政権も、全く“日米同盟関係
および沖縄基地環境の改善”に関するビジョンもなく、米国任せの「対等な日米関係」のお題目を
唱えるだけ。現状対応は当面の選挙対策だけで米国からのご祝儀又はご接待を期待している。
自民党は、自分達に知恵が出ないからといって、そこまで情けない行為はしなかった。
この記事の最後に、ジョセフ・ナイの語るオバマ政権の中国に関する認識というのが記されている。
政治レベルでの国際認識の共有化を行うためには、この様なアナウンスと、その反響分析の積重ねを
やらねばならないのだろう。閉鎖的ではダメ?計画的・積極的政治戦略が重要?如何なものか。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。