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方言と思い出 [方言]

“月に群雲、花に風”というが、このところ雲と風で、なかなかスカッとした天気にならない。
関東の方ではそろそろ花も見頃の様だが、当地の桜は今少し早い様だ。昨日、久しぶりに
足高山に桜の開花状況を見に行ってきた。残念ながらまだ2分咲きにもなっていなかった。

閑話休題、と言っても閑話の続きである。
我々夫婦の間で、英語の‘big’に相当することを‘ヨーサン’という暗号で意思疎通している。
その元は、“ビッグヨーサン”というスーパーの社名からの連想で思いついたものである。
我々が横浜で生活していた頃、家の近くに出来て利用していた。その頃の我が家は子ども達が
育ち盛りで、そのお店でさまざまなエピソードを生み出した。懐かしい思いがあったからだろう。

今日の散歩中に、暗号‘ヨーサン’を使う機会があり、その時にフト遠い昔のことが思い浮かび
「‘ヨーサン’は‘仰山’と同じ様な意味で使われる方言なんだよ。」と何気なく言った。
その後で、神戸時代の幼友達が使っていた記憶が、余りに古い故か?急に頼りなく思えてきた。

TV推理ドラマ「天才刑事・野呂盆六」の主人公・野呂盆六(橋爪功)はヘンテコな方言を使うが
ドラマの中で野呂は“子供の頃から全国を転々としていたため各地の方言が混ざってしまった”と
説明している。彼のしゃべりは、まことに奇妙で、それが刑事コロンボの帰り際の質問と同様、
容疑者が不用意に隙を作ってしまう。彼のミョウチキリンな方言も有力な捜査技術になっている。

話は逸れてしまったが私も子どもの頃、神戸に育ち、学生時代から東京、そして勤務でも関東、
岡山、九州などを転々としており、私の言葉も恐らく「方言のごった煮」だと思う。‘ヨーサン’は、
確かに神戸時代の幼馴染が、例えば「‘よぅさん’食べた」という風に使っていた。
‘よぅさん’を図書館の日本方言大辞典で引いてみたら、以下の様だった。
“〔方言〕量の多いさま。たくさんなさま。 愛知県知多郡内海。三重県度会郡。大阪府泉北郡”。
神戸。淡路島。和歌山市。愛媛県今治等で使われるらしい。どちらも港町である。瀬戸内の今治
辺りから大阪湾、紀伊水道、熊野灘から伊勢湾への海路交通華やかな時代が思い描かれる。

ちなみにスーパー・“ビッグヨーサン”の社名の由来は、代表取締役・本多洋二氏がその昔、市場
で「ヨーさん」と呼ばれていて、大きな太陽のような存在になりたいとBIG YOSUNにしたとの事。
残念ながら、‘よぅさん’の方言の地方出身者というわけではなさそうだ。それにしても、‘big’と
‘よぅさん’、<英語>と<日本語の方言>が意味的に連関しているような? 如何なものか。
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