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秋の和歌’09 [歴史]

今日は少し冷え込んだ朝から青空が広がり、そのまま秋らしい天気が継続した。
散歩は軽く済ますつもりだったが、青空に誘われてか、つい頑張って時間をかけてしまった。
鳩山内閣の最初の秋ということで、今日は、古今、新古今の和歌を数首お借りして、
「桐一葉、落ちて天下の秋を知る」 という感慨も込めて、政権交代と絡めてみたいと思う。

○ 色見えで移ろうものは 世の中の 人の心の 花にぞありける 小野小町
小町が、花は変化すれば、色が変るから分りやすいが、人の心の変化は、人には見えないので
分りづらいと、恋人の心変わりを嘆いている一首。この一首を現在の民衆の心に当て嵌めても
十分通じる感想である。今回の政権交代に伴う人の心の変り方も、なかなか見え難い。
本当に、政権交代に伴って、民意はどんな色に変ったのだろうか?私のつたない頭で考えると
光がプリズムを透過すると七つの色に分光するごとく、民意は、政権交代というプリズムを
経過して、やはり、それぞれ多様な色合いに変化していくのではなかろうか?

○ 世の中は 何か常なる飛鳥川 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる 読み人知らず
飛鳥川の形は日々変化しているという状況にことよせて、作者は世の中の無常を嘆いている。
鳩山内閣になったことによって、相当多くの人々が、無常を嘆いていることであろう。
高級官僚の天下り禁止やダム工事中止等に関係ない一般の民衆には、喝采している人も結構
いるだろう。“驕れるものは久しからず”というところだろうか?だから与党も喝采している
人も驕ってはならないと思う。どうかその辺のところを宜しくお願いしたい。

○ ながらえば またこの頃やしのばれん 憂しと見し世ぞ 今は恋しき 藤原清輔
昔、憂うつだった頃のことでも思い返すと今は恋しく思われる。だから憂うつな現在の事も
生きながらえて振り返ってみれば、また懐かしく思い出せるのだろうか?という意味だろう。
鳩山政権になったことで、大変な思いをする人々も、将来、振り返ってみればあの時は必死で
頑張ったなぁ!と懐かしく思い出せるように難局を切り開いて欲しい。諦めないで下さい。

こうやって古今集、新古今集という800~1000年以上の時の流れを隔てた和歌を紐解くと
様々な感情や、常識や、美意識などが、気の遠くなるほどの時空を隔ててつながっていることを
まざまざと思い知らされる。伝統と改革、常識と英知との連携が大切?如何なものか。
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