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保全策内包の革新策 [社会]

今日読んでいた技術雑誌に“プリンテッドエレクトロニクス(以下PEと略)”の話が出ていた。
そこで描かれている未来のPE製品群が家庭内に氾濫している状況を読んで、私は、こんな家に
今の若者や、中年の人は住みたいと思うのだろうか?と思ってしまった。20年後には40兆円を
超える市場(現在のカーエレクトロニクスを超える)になるという。
低価格化が進むらしいから壁掛け絨毯のような巨大薄型テレビ、有機EL照明カーテン、
電送シートテーブル等といったPE製品の家庭内氾濫もありうるのだろう。

思えば、信仰心厚い錬金術師が、「科学」という魔法を入手して以来、科学の力が、様々な
迷信や呪縛から人間を解き放ち、人間は自由によって豊かさと幸福を手に入れたかに思えた。
数百万年前に誕生して現代まで生きた無数の人々の人生は、今の日本人に比べて過酷なもの
とおおむね思われているだろう。しかし、本当の試練は、これからが本番なのかも知れない。

西洋文明が、近代化を達成して以来、世界は、地球規模の環境保全問題に突き当たるまでは
“革新”こそ豊かさと幸福に必須のものと信じてきた。そして、環境保全問題に気付いた後にも
正に二元論よろしく、“革新”と“保全”の二刀流で切り抜けられると思っている。
しかし果たして現在の問題は、そんな甘っちょろい論法で解決できるようなものか?

テロリスト達が、善良な市民を隠れ蓑にしている事は、良く知られた事実である。
日本に於ける改革の対象も、明確に善良な市民と識別する事には相当な困難を伴うだろう。
小泉改革が、高い志にもかかわらず、歴代総理の行政改革同様に挫折しかかっているのも
そのような微妙な問題を内包しているが故である。政権交代後の民主党は、今や意気天を
つく勢いで、官僚の膿を出すのだと躍起になっている。改革はそんな単純なものではない?
或いは、米軍の様々な横暴を排除し、対等な協力関係を築くと息巻いている。個々には
尤もな点があるのは当然だ。しかし官僚の膿摘出という程度の認識の甘さでは、この複雑な
世界に対応できず、自己中心的な自己陶酔認識に陥る危険性は大きいと言わざるを得ない。
マニフェスト選挙で勝ったから、何が何でもマニフェスト通りに仕切っていくという。
しかし、それが、“保全”を備えた“革新”という本当の日本、引いては世界の改革ではなく
日本国内の人気取りであるなら、民主党の取組みは政権奪取の党利・党略に過ぎないだろう。
自己中心的な自己陶酔認識と党利党略の政党政治であってはならない。如何なものか。
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