SSブログ

分権と分国 [社会]

この所、橋下知事や東国原知事などが中心になって地方分権が声高に叫ばれている。
一方、新疆ウイグル地区やチベット自治区における少数民族問題の背景には、分国・独立の
動きが内包されている。これは中国として大きな問題であり、懸命な抑えつけがある。
独立国家志向と地方分権志向との一番大きな違いは、国家の位置づけである。

独立国家志向は、現国家・現政府に大きな不満がある。同じ苦労するならば、自分達の信頼
できる国家・政府のもとで生きてゆきたいと望む。
それに対して、地方分権志向は、国家と自治体の経済配分を変更する枠踏み論争だ。
地方分権も国家に対する信頼が薄らいでいる感は否めないが、否定している訳ではない。
現代の、親の権威の失墜に伴って、子供が小遣いの値上げをせびっている甘えの構造?

中国は、今や空前の繁栄を誇り、海岸沿いの富裕階層は日本に買物ツアーで乗込んでくる。
日本の不景気を持ち直せるか、という位の規模だというから半端ではない。にもかかわらず
分国・独立に神経質なのは、それが連鎖反応を起こし群雄割拠の戦国時代に逆戻りしてしまう
との懸念のためだろう。中国産の乳児用粉ミルクは信用できず日本製を大量購入する中国の
富裕階層達は、自国をどんな国にしたいのだろうか?金さえあれば良いと思っているのか?

もう1つの大国・米国は未曾有の不況にあえぎ、多民族国家で、人種差別もあるようだ。
しかし分国・独立の話は聞こえてこない。人種差別された側の人々は言論の自由を駆使し
堂々とした態度で差別側を諌め、差別側が未熟な退行現象であることを浮き彫りにした。
世界中の人々が差別された側の立派さに感服し、した側は笑いものになってしまった。
人種差別問題で、米国の威信は少しも傷つかなかったのではなかろうか?

米国のスミソニアン博物館は、無料で世界に解放されているという。国家の宣伝用と切って
捨ててしまえばそれまでだが、世界に向けて、アメリカ国家の役割の一つと明確に位置づけ
ているからなせる事だ。
分国・独立問題は金のためではない。精神的問題が非常に大きい。現在、地方分権は
ともすると、金の問題ばかりが先行している。全国民の幸福や豊かさは金だけでは買えない。
国のあり方、国家の役割を明確にした上で議論すべきではないだろうか? 如何なものか。

コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。