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文化資本・3 [希望]

090416中孝介.jpg今朝のTVを見ていたら中 孝介(あたり こうすけ)という奄美大島
出身の男性歌手が出演していた。琉球大学社会人類学コース卒業
奄美民謡大賞新人賞、日本民謡協会奄美連合大会・総合優勝等
の実績もあり、かつポピューラーソングでも大ヒットしてメジャーに
なっているらしい。8年位前、妻のコーラスの先生がまだ無名時代の
あたり君と競演したことがあるという。
今も奄美大島在住で、島お越しにも力を入れている。

あたり君もまた、文化資本を活かした生き方をしている人だと思う。有名になった多くの人が
中央に進出して地方文化から抜けてしまうが、本当の地方分権、地方中心の多様な社会を築く
ためには、あたり君のような人がどんどん出てこないとだめだと思う。
東国原知事や橋下知事がどこまで地方文化に理解と関心があるかはよく分らないが、
文化資本を活かし、素晴らしい方向に蓄積するように努力してもらいたいと思う。

日本において「文化」というものが、特に庶民的な階層でなおざりにされてきた傾向があるが
それは “資本” あるいは “資源” といった役に立つものというよりは、「抑圧」 と受け取って
いたためである。「抑圧」 と受け取っていたのは、アメリカ人に対して日本人についての偏見
を取り除くために書かれたというルースベネディクトの 「菊と刀」 という本が、著者自身の
予想をはるかに超えて、今もなお読み継がれていることでもわかる。

「文化」を抑圧や束縛と受け取るのは、文化資本が知的資本と同様に、権力闘争や経済競争の
道具として、組織の決めた通りに遂行することを強制されるという側面があるからだ。
職業に自由業もあれば、組織に属さなければならぬ職業もある。自由業でも、例えば芸能人等
は、下世話では学校のクラブ活動の体育会系よりも酷い厳しい規律があるとも言われている。
弁護士には弁護士会、医師には医師会、何処に行っても組織はついて回る。

どんな社会になってもどんな組織でも、文化は存在し続ける。自分達の文化がごろつき文化、
テロ組織文化になるか現在よりも更に素晴らしい文化になるかは、一人一人が文化から逃げず
文化に関心を寄せ、批判的に学び、文化を分かち合う心だと思う。 如何なものか。

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