SSブログ

林住期 [歴史]

午前中は晴れたが午後から曇り。予報は50%、降るかと思ったが意外にまた晴れ間もでて、
幸い散歩終了まで持った。 散歩途中で和久さんに教わった五木寛之の「林住期」を買った。
もう文庫本になっていたのだ。 ありがたいことである。

DSC090319方丈.JPG早速読み出したがあれこれ引っかかってなかなか前に進みそうも
無い。最初に引っかかったのは鴨長明である。そうか、彼も50歳で
出家した。昨夏、京都の下鴨神社に行ったときに長明の 「方丈」
(写真) というのを拝見した。 出家の後、各地を移動している間
に完成した組立式となっている。広さは一丈(約3m) 四方という
ところから、 「方丈」 と呼ばれた。式年遷宮によって造替される
下鴨神社社殿の自在な建築様式にヒントを得たといわれている。長明は下鴨神社の神職の
次男として生まれた貴族である。 彼は平家から源氏へと変化していく栄枯盛衰の世の
移り変わりを実体験した世代だった。

次に引っかかったのは、居場所を変える、心の出家、といったような言葉だった。
親子関係、夫婦関係、職場関係などの居場所をかえる。夫婦の友情を育むなどのことも含む。
急に今朝知った、“わいせつ判事” のテレビニュースを思い出した。彼も52歳、五木説なら
まさに 「林住期」 に突入している。 裁判官弾劾裁判所での罷免判決の経緯を調べたら、
6件の内、男女問題がらみで、50歳以上は、去年のストーカー (55) 事件だった。
数少ない裁判官罷免事件でモノを言うのは憚られるが、司法試験をパスしたエリートが
このような問題を起こすのは、精神と肉体とのバランスは個人差が大きいからだと思う。

釈迦は、29歳で妻を捨て、子を捨てて放浪の旅に出た。 愛欲、煩悩から解脱するためだ。
五木寛之は、居場所を変える、或いは心の出家、と簡単に仰るが、妻も子も捨てられない。
自由業とは違って、簡単に50歳で家出など出来ない。単身赴任こそ「林住期」の居場所変更
といっても、そう簡単に割り切れない。 私は、「林住期」 について次のように思う。
「林住期」 は、年齢で、簡単に区分するようなものではない。自分で決めるものだ。
そういう期間を人生の中で持つことを計画し、楽しみにして「家住期」のストレスを軽減し、
「家住期」 の中で、「林住期」 の予行演習しながら徐々に実現していく。 如何なものか。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。