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梅ちゃん先生_最終回 [思い出]

「梅ちゃん先生」の特徴は、日常の瑣末な出来事を針小棒大に扱って見せ「大山鳴動して
ネズミ一匹」で目出度く収める、という段取である。前回のラストも、芳子(南果歩)が
建造(高橋克実)の様子がおかしいと不穏な雰囲気を漂わせ、梅子(堀北真希)に相談。
幸吉(片岡鶴太郎)が陰で聞いていて、建造に女ができたに違いないと梅子を不安がらせ
面白がって真相究明とおっとり刀で「みかみ」で飲んでいる建造達の所に駆け出した。
揉めさせてはならじ!と梅子も慌てて追いかけた。
「みかみ」から出て来た建造に会った二人は理由を問い質して大仰天!梅子は「エッ!」と
驚嘆の大声を発してしまった。余程の重大事発生!と思うではないか?私等の感覚では、
定年過ぎの男の様子がオカシイとなると、さては癌にでもなったか?と心配してしまう。
梅子の驚声に異変を感じた竹夫(小出恵介)、信(松坂桃李)、加藤(大沢健)たちが
飛び出して、何事が起きたかと追求された。切羽詰った梅子が「お父さんが空飛ぶ円盤を
見たというから」と苦しい言い訳をして、何とかその場は納まった。

最終回は、もう昭和36年(1961)になっていた。“空飛ぶ円盤”のブームはもっと前では
なかったか?30過ぎの梅子が言い出し、60過ぎの病院長・建造がそれに乗り、幸吉まで
「どこにそんなものが見えたんだ?」と真面目な顔をして言うとは!幾ら何でも面白過ぎ。
笑顔だけが能じゃない。しかめっ面でこういう面白い事を言ったり、したりする方が、
余程面白い(わッはっは!)
結局、芳子の心配は杞憂!何と、建造が、「のど自慢」出演を人柄変革の起爆剤として
内緒で出演準備をしていたというのだ。「上をむいて歩こう」を熱唱し、見事鐘を連打!
これには幸吉も恐れ入った様だった。(幸吉は第4週、のど自慢出演。復興節で鐘1つ。
信郎との葛藤があり、現状打開の為に「あきらめ節」から変更し、練習不足の為?)

テレビ画面の「のど自慢」司会者は声も映像も宮田輝自身だった。最初はソックリさんを
探して依頼したものと思ったが、司会者の言葉(芳子の?が審査員に聞こえた)が
聞き取れず、ビデオを繰返し見ている内に、映像が明らかに合成だと気が付いた。
1960年代は、放送用ビデオテープやフィルムが高価な上、アーカイブを収録したテープは
課税対象だったため、一部を除いて番組保存が行われなかったという。そんな時代の
貴重なアーカイブで、宮田輝の映像を視聴できたのは幸いだった。
「梅ちゃん先生」のスタッフにお礼を言いたい。感謝!感謝!

松子(ミムラ)は早、二児の母になったにも拘らず、前髪を垂らしてかわい子ちゃんに
変身しているのに気付いた。“僕の可愛いミヨちゃんは 色が白くて小さくて 前髪
たらした可愛い子 あの子は高校二年生”の歌詞で有名な平尾昌晃作曲・[ミヨちゃん]は
平尾自身が、1960年の紅白歌合戦で唄った。 なかなか面白い趣向だった。

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チョッと気になる事を書いてお開きとしたい。
「上を向いて歩こう」という歌には、私にも色々な思い出がある。唄っていた歌手の
坂本九は私と同い年だった。東京での慣れない下宿生活でいやな事があると、良くこの
歌を口ずさんだ。合唱仲間とは、若い頃から最近に至るまで何度もステージで唄った。
この歌の成立を調べたら、1961年7月21日、産経ホールで開催された「第3回中村八大
リサイタル」で、坂本九の歌によって初披露されたという事らしい。
ここで細かい事を言う様だが、ケチをつけているのではない事を断っておく。
「梅ちゃん先生」物語最終は、梅の花を見上げるシーンだった。昔、松子の元婚約者・
吉岡智司(成宮寛貴)が、希望と勇気を与えてくれた言葉を思い出しながら梅子は、
梅の花の様な清しい生き方ができているか?信郎と共に梅の木の下で振り返っていた。
さてそこで、昭和36年(1961)の梅の時期というと、まだ「上を向いて歩こう」は、
披露されていなかったのではないか? ラストシーンは昭和37年(1962)になった?

「梅ちゃん先生」物語は、登場人物が従来と比較して相当多かった様に思う。
私の様に理屈っぽい人間は、話の展開に因果関係や、起承転結がない為にうろうろ
させられたが、人生というのは何の脈絡もなく、様々な事が起るものなのだろう。
従って気楽に見て楽しめば良いのである。結構楽しめた。
下村家と安岡家以外の登場人物で印象に残った筆頭は、やはり松岡(高橋光臣)だろう。
弥生(徳永えり)と山倉(満島真之介)は、最後まで出演し、得をしたと思う。
みかみの家族を除いて途中から出演して最後まで出演したのは、木下(竹財輝之助)
光男(野村周平)だが、彼らも、それなりの存在感をもって好演していた。
単発的出演で光ったのは、坂田(世良公則)や狭山(石井正則)などの先生方。
また吉岡智司(成宮寛貴)も、素晴らしい言葉を残して、輝いていた。
「人は死して言葉を残す」。
ガン患者・早野新造(津嘉山正種)もまた印象深い役どころだった。
様々な思い出を甦らせてくれた物語だった。ありがとう! 如何なものか
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コメント 1

投資の初心者

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
by 投資の初心者 (2012-12-17 15:33) 

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