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梅ちゃん先生_68・69・70回 思い [物語]

梅子(堀北真希)は、山倉(満島真之介)から古い医学書を譲り受けたが、その本には、
見覚えのある几帳面な松岡(高橋光臣)の文字で書込みがしてあった。梅子に対する配慮から
松岡は直接手渡しでなく山倉を介するという面倒な手続きをしたのだが、それが当時の男の
嗜みであった。梅子は、暖かい良家の子女として伸び伸び育ったから、現代っ子風で、且
性格的にも豪快だから、松岡の行為がチグハグに思えるが、松岡の梅子への思いは正統派。

梅子の思いは、加藤(大沢健)が松子(ミムラ)に結婚を申込みながら、すぐに取消した
ケースでも繰返された。「自分の気持を素直に表現すること」が、梅子の願いであった。
加藤の結婚申込取消しの理由は、母親(根岸季衣)の持病の心臓発作が出たからだという。
闘病生活の母親を抱えて結婚を申し込む事は、嫁に母親の看病を押付ける事になるという
加藤の思いもまた、当時の男の嗜みだった。結婚と母親の看病とは、関係ないというのが
現代っ子の感覚かもしれない。梅子も「そうなりますか?」と、疑問を投げかけていた?
梅子は育ちが良いから「自分の気持に素直に生きる」事を信条として、余り取越し苦労は
しない性質?現実に夫の母親が病気だったら、その時には頑張って世話するのだろう。
そういう点では、ドライな現代っ子と一緒くたにしない方が良いのかもしれない。

信郎(松坂桃李)が、安岡製作所の経営に行き詰まり、家出したのも、信郎の思い(志)が
高いからだと思う。町工場とはいえ戦前から継続しているのは、父・幸吉(片岡鶴太郎)の
腕が確かな証拠である。そこで長年修業してきた信郎の腕も相当なものではなかろうか?
竹夫(小出恵介)の事務所で信郎がタイプライタの修理をしながら、竹夫と会話していたが
竹夫の背中を追ってきた信郎の志の高さと、並々ならぬ仕事への思いが伝わってきた。
信郎もまた、困難でも「自分の気持に素直に生きる」道探しの旅に出たのだと思う。

「自分の気持に素直に生きる」という梅子の思いは松子や竹夫の生き方から学んだのでは?
松子や竹夫は、親の期待を一身に受けて、懸命に優等生として生きてきた。それでも竹夫は
「自分の気持に素直に生きる」道を探す為に家を出た。松子という防波堤があったからだ。
梅子は松竹梅の梅で親の期待も一番低かったから、一番「自分の気持に素直に」生きてきた。
しかし松岡の件では、自分の気持の整理がつかなかったからか、建造(高橋克実)の采配に
従った。だが松子や竹夫に松岡の話を聴いて貰って、梅子も、いまや気持の整理も付いた?
「梅ちゃん先生」も中間の折り返し点に差し掛かってきた。そろそろ松子や加藤の本音も
聴きたいところだし、梅子と松岡との決着も、梅子の主体性で決めたいところである。
信郎の思いを形にするには時間経過が必要? 何はともあれ今後が楽しみ!如何なものか
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