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‘縁’ に導かれて [物語]

今週のNHKTV小説「カーネーション」は、気に入った内容、心にスッと入ってくる話、感動の
場面をまとめようとすると、指の間から水がこぼれる様にエキスが抜け落ちてしまう。
それは何故なのか?考えてみた。そして私はこう考えた。今週の「カーネーション」は
‘縁’という概念で一本筋が通っているから興味深かったのだと。

強い女・糸子(夏木マリ)も既に88歳、様々な病気を抱え、杖をついて歩く身になった。
運と才能に恵まれたがブスだった糸子と比較して幼友達の奈津(江波杏子)は気品のある
美人だったが老後は淋しい暮らし?その二人が、糸子の通う病院で再会する。この再会に
一役買ったのが、龍村院長(辰巳琢郎)。例年行う病院のイベントの件で会った事が機縁
だった。ドラマで糸子は、寝床で奈津の事を思い出していたが、奈津が糸子に浴びせる
罵声ばかりしか思い出せなかった。「ほんでも生きている内にお互いまだボケもせんと
会えたんや。奇跡やなあ」”と言っていた。

しかしその後、病院内で2人が廊下を競って早歩きするという始末。二人共88歳、しかも
奈津は点滴液をぶら下げた医療器具を引きずっている入院患者、糸子は足悪で杖つく身。
いくら年取っても強気を継続できるという「外的条件=‘縁’」があるからできる事だ。
一般には直接的原因を‘因’、間接的原因を‘縁’と位置付けているが、原因に働きかけ、
結果として万物を創造する外的条件を‘縁’とする用法もある。

今週のメインイベントは、病院で看護婦と患者が出演するファッションショーだった。この企画起案は、
母親が糸子の店のファッションショーが好きだった事を思い出した事務長(蟷螂襲)であった。
この企画を実現するまでの紆余曲折は大部分省略するが、事務長の母親が糸子の顧客で
あった因に様々な「外的条件=‘縁’」が働いて、その結果がまた因となり‘縁’が
働くという輪廻の繰返しが、素晴らしいファッションショーへと導くのだった。

事務長起案のファッションショーが、成功するまでの様々な「外的条件=‘縁’」の
殆どに糸子と相川総婦長(山田スミ子)とが係わる。二人共仕事に誇りと信念をもちながら
相手の意見が正しいと思えば協調する柔軟な精神を持っている。ショーまで二週間の頃、
糸子は総婦長から吉沢加奈子(中村優子)という末期がん患者の出演を依頼される。
最初の出演者選定時に重症患者を断った総婦長も、患者の強い要望を受入れたのだった。
その依頼を受けて、糸子は総婦長に、「・・・・ご縁をもろたんや・・おおきに」と応えた。
正に加奈子の参加は、ショー成功への「外的条件=‘縁’」であったといえる。



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糸子は、ショー成功の秘訣として一般の出演者には、「自分が一番幸せな気持になって
見る人に幸せを分け与える事」、そして可奈子には、「あんたが奇跡になる。ほんで
見てる人らに奇跡を分けるんやで!」と伝授した。
糸子は自分が88歳という年齢に達して、普通に出来ていた事が段々とできなくなった。
しかし様々な機能が失われていく事を嘆くのではなく、残された「生」を、奇跡と思う
事によって、自分の人生に挫けず生きて行くというアイデアを得た。そのアイデアを
加奈子に応用・伝授した。末期がん患者は、笑う事も忘れて苦悩に打ち拉がれる。
なのに、加奈子はショーのトリを務めて笑顔を振りまき、「私は幸せになります。」と
宣言したのだ。その奇跡によって、夫や子ども達のみならず、ショーの関係者すべてに
幸せをもたらすという結果になったのだ! 如何なものか

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