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TVドラマ・フォルティッシモ [物語]

ドラマといえばサスペンス、一般的なドラマは余り見た事もないのに、昨夜は標記ドラマを
鑑賞した。これも何かのご縁である。折角だから感想を書留めておこうと思う。
最初に藤澤恵麻演ずるところのヒロイン・東條美空が登場するシーンが印象的だった。
就職活動の身分証明用写真を撮るのだが、実に頼りない、情けない顔なのである。
藤澤恵麻という女優さんの演技を見るのは初めてだと思うが、こんなチンケな女優さんが
主役?と早々にスイッチを切りたくなった。しかしドラマを見るご縁となった番組紹介文が
魅力的だったことを思い出して、もう少し我慢してみてみた。そうしたら、私の嫌いな
玉置浩二が西村雅彦と並んで、最近公然復活の男色関係?という感じで、ヒロイン・美空を
面接しているではないか?しかもヒロインは沢山資格がありながら、ボロボロの感じ。

こういう‘ある種の悟り’物語は、迷いが酷いほど、‘悟り’ を開いた主人公が栄える。
この物語は、美空が28歳の夏に、何故どん底であったのかは説明しない。ただ彼女が、
行き詰り、親の勧める母校の臨時教師になって、たまたまクラリネットの練習をしている
生徒・北川春樹(藤原薫)と出会ったことで、その謎の一部は推測されるのだった。

新聞の番組紹介文の書出しは、
“あきらめた筈の夢だって埋み火の様に熱を持ち続ける。何かのきっかけで思い出せれば
 再び明日への道しるべになる・・・・” 良い感じじゃあないですか。
この紹介文を道しるべに、このドラマを見続けたのである。そしてその甲斐はあった!

美空はかつて吹奏楽部に在籍しクラリネットを演奏していたが、最終年の演奏会でソロを
担当しながら、当日緊張の余り演奏出来なくなり、会場から逃げ出してしまったという。
春樹と出会い、今や弱小部となった吹奏楽部の立て直しを引き受けた。そして皆に迷惑が
かかるといって、逃げ出そうとする春樹を止める時に、自分の過去を告白するのである。
また演奏会直前にも、多くの部員の自信喪失を防止するために「少々の失敗は許す。
失敗しても、今日演奏したことを、10年後にはキッと誇りに思えるから」と鼓舞した。

演奏会で指揮する美空の顔は、最初の頼りない情けないチンケな顔とは似ても似つかない。
実に素晴らしい輝いた顔であった。この落差は、演技力なのだろうか?ならば大女優?
演奏会は大成功。生徒達に教えられたという美空のラストシーンにおける「悟りの言葉」
=「何ものであるか?解らないという事は何にでもなれると言う事」。 如何なものか





果たして美空は28歳の夏にどん底であったのか?本人がそう思ったのかも知れないが、
私は、そんなものがどん底であるはずがないと思う。派遣を止めて本採用に挑戦するのは
自分に自信が持てる証拠である。また派遣をしながら、各種の資格が取れる等、両親から
何らかの援助もして貰える様な、恵まれた環境にあるのだと思う。

美空は、職場の後輩に恋人を盗られ能無し呼ばわりされて、急に不安になっただけでは?
例えば高い場所にある吊り橋を渡っていて、急に高所である事に気付いて臆する様なもの?
例えば、人工衛星が落ちてくると聞いて、急にびびる様なものではないか?
心理的影響として、10年前の演奏会から逃げ出したことがあっても、それはそれである。

過去や現在の失敗、過去の恋愛、周りの人々の生き様などは、自分を活かす参考にしても
自分をおとしめる参考にすべきではない。美空のラストシーンにおける「悟りの言葉」は、
その事に気付いたという事ではなかろうか?そう思った瞬間に、美空の心は、正に名前の
ごとく、美しい空のように、晴れ晴れしたのだ。
美空の「悟りの言葉」は、期限切れになる迄の何時か、自分が何ものかになるという
自信のあらわれだと思う。「何時かは何者かになれる」自信のない人はどうする?
まだまだ、人生は深い? 如何なものか

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