SSブログ

2011-07-12四方山話 [閑話]

今日の昼間に、村上春樹の短編小説『かえるくん、東京を救う』を読んだ。
岩崎夏海が、テレビ番組「NHK 課外授業ようこそ先輩」で教材に使ったという小説だ。
文庫版で35頁だが、小学生には難しい言葉が随所に散りばめられていて、私が生徒なら
キッとギブアップしたろうと思った。かえるくんの結末がグロテスクで、しかも片桐が
最終的に「夢のない静かな眠りに落ちた。」で締め括られる。訳分らない?

この物語が、1995.01.17の「阪神・淡路大震災」という出来事から派生している事は
明らかだと思う。この物語の中で、二度も繰返されているフレーズがある。それは
「真の恐怖とは人間が自らの想像力に対して抱く恐怖のこと」というものである。
物語の中心は、「阪神・淡路大震災」発生の一ヶ月後に、東京の直下型大地震を起そうと
している巨大ミミズと、それを未然に防止したいというかえるくんとの闘いである。
かえるくんは、2メートルもある大きさとはいえ、敵のミミズは山手線の車両ほどもある。
かえるくんは、実際には事故で戦場に立ち会えなかった片桐の精神的な支援を得て
巨大ミミズと互角に戦い、引き分けたので、大地震は発生しなかったというのが大筋。
かえるくんは、入院中の片桐に戦況を報告した後に、壮烈な最期を遂げる。その様は
文字からの想像力を逞しくすればするほど、ゾッとする様な恐怖感に襲われる。

小説『かえるくん、東京を救う』で特筆すべきは、片桐と言う平凡で風采の上がらぬ
中年男が、東京の直下型大地震を食い止めるための相棒に選ばれている点である。
かえるくんが、片桐を選んだ理由を、かえるくんの言葉で示そう。
「正直申し上げて、・・・・・。弁も立たない。だからまわりから軽く見られてしまう・・・
あなたは筋道の通った勇気のある方です。東京ひろしといえども共に闘う相手(相棒?)
としてあなた位、信用できる人はいません」、「あなたのような人しか東京は救えない
のです。そして、あなたのような人のために、ぼくは東京を救おうとしているのです」

この物語の「天災」を「人災」と読直し、「人災」防止のために平凡だが筋道の通った
勇気ある人々が求められている?と考えてみれば、話の大筋は現状にも当てはまる?

「東日本大震災」も起こった「天災」部分は、どうにもならない。しかし「人災」は、
平凡な庶民ではなく権力者によって引起される。菅内閣の支持率は15%。老獪な政治家・
亀井静香や石井一が、ねじれ国会解消を菅首相の花道にするという。こういう党利党略、
嘘つき政党を、このまま政権与党にするのか?筋が通らないだろう。如何なものか
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

科学技術と犯罪今年の夏は熱い? ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。