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「てっぱん」の魅力 [物語]

今日は、二十四節気の1つ・啓蟄である。二十四節気を1日・24時間に対比させて
冬至:真夜中の0時、春分:朝の6時、夏至:真昼の12時、秋分:夕方の6時とすると
啓蟄は、春分の1つ前、いよいよ夜明け早朝の5時にあたる。一年では柳の芽吹く気配、
それはまた、冬眠していた虫たちがうごめきだす頃である。

さて、「てっぱん」の魅力とは何か?結論から言おう。それはあかり(瀧本美織)の存在感
である。浜野(趙珉和)は、色んな事情抱えているのに、それらを吹き飛ばす強く真っ直ぐな
笑顔のあかりを絶賛する。滝沢(長田成哉)も走ることの違う意味を教えてくれたあかりを
自分の帰る場所という。あかりは二人の男に愛されただけではなく、冬美(ともさかりえ)や
のぞみ(京野ことみ)も助け、二人の女性からも感謝されている。あかりは下宿人・中岡徹
(松尾諭)の子ども・民男(前田航基)の複雑な事情によるイジメの問題等にも気配りして
笹井拓朗(神戸浩)も含め、下宿全体の人間関係を改善していった。

また初音(富司純子)にも存在感がある。当初あかりは、祖母とは知らず“ベッチャー”と
命名したが、私は最初の頃のブログで「初音の年齢に似合わぬ、無作法で礼儀知らずな態度」
に、思い出しても腹が立つ、と書いたものである。そのイメージは、あかりを孫として容認
するまで継続していたように思う。心身共に頑健な初音は、娘・千春が亡くなるという事、
孫を残して逝ったという事を夢にも思って居なかった?そのショックは大変に大きかった?
という風に解釈すれば無作法も理解可能か?台風で開かずの間がひらき、初音の心もひらかれ
ていった?その後の展開では、初音は、あかりの職業教育、人間教育のよき指導者だった。
あかりだけではない。下宿を巣立っていった滝沢をはじめ、下宿人の良き先輩であった。

その様に省みると、初音は、しっかりした人生哲学をもった人だったにもかかわらず、娘に
家出をされ自分への自信を失った。思い出のお好み焼き屋「ちはる」を閉じると共に、心を
閉ざしたと考えるべきだろう。そして、ある程度回復した段階で、まかない付きの下宿屋・
田中荘を始める事によって世の中の弱者とも言うべき人々を助け、再び、世間に羽ばたかせ
ようと考えたのだと思う。料理の腕も一流、客あしらいも一流、下宿屋のまかないばあさん
には勿体ないのでは?この初音に日本の良き伝統・「共助(民間同志の助け合い)」をみる。
初音の家を無料で補修する大工の棟梁・伝さん(竜雷太)も、その一人だ。あかりも大きくは
田中荘の活動の一部を担っているのである。初音の長い苦労と経験の積み重ねなくして、
‘おのみっちゃん’グループも存在し得なかった。こうして物語を始めからたどってくると
共助の象徴・田中荘の“志”は引継ぎたいが、果たしてそれは成るのだろうか?如何なものか
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