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映画・わが谷は緑なりき [物語]

昼食後にTVのBS2で古い映画をやっていた。新聞のTV欄を見ると、「わが谷は緑なりき」となっていた。見終わった時、この作品は何を言いたかったのか?良く分からなかった。途中から見たからかも知れない。しかし何故、最後まで見たのだろうか?と自問自答してみたら、その理由は映画に描かれている内容が、古い価値観から新しい価値観に変る転換期に対する好奇心だった?

映画の最後の字幕で、監督はジョンフォード、制作は1941年、主演女優はモーリンオハラと言う事は分かったが、時代背景が分からない。そこでインターネットで調べてみた。映画の原作者は、Richard Llewellyn (1906-1983)だとわかった。奇しくも私の父と同年生れ。父の方が、2年早く亡くなっているがほぼ同世代の人だ。そのことから、後で書くが、原作者自身と同時代の話では無いと思うのである。内容は南ウェールズ渓谷・炭鉱の町のウェイオブライフ(生活文化)。
この映画物語は、5人の兄と1人の姉をもつ末っ子のヒューモーガンが初老になって回顧する懐かしいモーガン一家に関する話である。
一番興味を引いたのはヒューがモーガン一家で始めて小学校に入学すること。イギリス・ウェールズの炭鉱地区は、教育が遅れているといっても、父と同時代ならチョッと信じられない。

次はヒューに対する学校のいじめ。初日に、自分達と生活文化の異なる隣町の小せがれというだけで年上の大柄な子が学用品を叩き壊す。大切なものを壊されて向かっていくヒューを殴る蹴るで血だらけにする。周りは誰も助けない。父親は壊れた用具などで喧嘩と見抜き、勝ったかどうかを聞く。そして負けた息子に明日も学校に行くかどうかを確かめ、行くという息子にウェールズの誇りを保つために、自分の友人に頼んでボクシングの訓練をしてもらう。そして学校でガキ大将までもやっつけられるようになる。しかし先生は、喧嘩を咎めて隣村のヒューに片手落ちの鞭打ちの刑をして酷い怪我をさせる。この事を知ったヒューのボクシングの先生は、学校に乗込みヒューをいじめた先生にボクシングを指導するといって、パンチを食らわして気絶させてしまう。

原作を読めば時代背景が分かるのだろうが、私の当てずっぽうをいうと、祖父の時代、あるいは祖父本人の回顧かもしれないと思う。或いは少し時代の下った時期に祖父が知りえた情報を元にしたのではないだろうか?原作者は一時期、祖父と南ウェールズ渓谷に住んでいた事があるという。イギリスの産業革命後の高度成長期が陰りを見せ、炭鉱が斜陽化していく時期だったろう。
現代日本も高度成長期は過ぎて、石油工業の陰りは世界的規模。この物語は現代を振り返るために、様々な示唆を与えてくれるのではなかろうか?如何なものか。
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